自由学園第94回卒業式/近況 - 一貫教育の【自由学園】/ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

自由学園第94回卒業式/近況 - 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上【一貫教育の自由学園】

近況

自由学園第94回卒業式

2016年3月21日

2016年3月21日(月)、自由学園第94回卒業式が午前10時より執り行われました。ご家族を始め、来賓の皆様、教職員、在校生が見守る中、4年課程男女29名、2年課程女子6名が卒業いたしました。

あたたかい拍手の中、在校生の演奏で新卒業生が入場。国歌斉唱の後、自由学園の校名の由来である聖書の箇所、ヨハネによる福音書第8章から司会者が朗読。新卒業生が讃美歌447番を歌った後、矢野恭弘学園長より、新卒業生一人ひとりに卒業証書が授与されました。そして、新卒業生の代表2名が、「卒業に際して」として、自由学園でどのようなことを感じ、学んできたのか、自由学園で学んだ「自由」について今思うことなどを感謝と共に述べました。

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卒業証書授与(4年課程)

卒業証書授与(4年課程)

4年課程

 

 

 

 

 

 

卒業証書授与(2年課程)

卒業証書授与(2年課程)

女子

 

 

 

 

 

矢野恭弘恭学園長は、「卒業生におくる言葉」として、自由学園の創立者羽仁もと子先生が、「教育の目的は真の自由人をつくること」と述べていることを話し、真の自由人を目指すことは、一生の課題である。選択の自由をどのように使うのか、何に使うのかは、その人にしか決められない。人には社会をよくする責任がある。一人ひとりに与えられている使命がある。どうか「自由学園の手紙」として、これから社会でよい力を出してほしい。と語りました。

矢野恭弘学園長「卒業生におくる言葉」

矢野恭弘学園長「卒業生におくる言葉」

来賓祝辞 枝廣淳子様

来賓祝辞 枝廣淳子様

 

 

 

 

 

 

続いて来賓の枝廣淳子様より祝辞を頂きました。(枝廣様は東京都市大学環境学部教授、幸せ経済社会研究所所長で、地球規模の環境問題に取り組んでおられます。アル・ゴア著『不都合な真実』の翻訳者。またお嬢さんは女子部で学ばれました。)
枝廣様からは、これからの社会で必要な力は、自由学園が創立以来大事にし、皆さんがこれまで学園で学んできたこととして、 次のようなことを話してくださいました。

環境問題、地球温暖化、子どもの貧困の問題、人工知能の発達による影響など、社会にはこれまでになかった様々な課題がある。かつて経済成長が何より大事という時代もあったが、今は、目先の豊かさや、様々な人工的な発達だけでは本当の豊かさは得られない時代となっている。職業の持ち方も、半農半作家、半農半NGO職員など、食糧生産に携わりながら、半分は現金収入を得るために社会のために力を出すといったような、新しい形の働き方も出てきており、これまでのように皆が生涯ひとつの職業で勤め上げ、同じようにマニュアルに従っていくやり方は、数年後には過去の遺物となっていると思われる。今の社会には様々な課題があり、これまでのモラルだけでは、はかれないことが出てきている。しかし、環境問題をはじめとして、何とかしなくてはならないと気がつき始めているところなので、これから社会に出る人にとっては、大変なこともあるが、やりがいがあり、またチャレンジできることが沢山ある社会とも言える。
その中で、皆さんに大事にしてほしいのは、まさに自由学園で皆さんが学んできた次のこと。
・自分の頭でよく考えること
・人の話をよく聞き、そして自分の考えをしっかり伝えること。そして話し合うこと。
また、人は社会に出てからも成長を続けると私は思う。成長を続けるためには次のことが大事だと考える。
1.自分の芯となる、目指すものを持ち続ける。
バックキャスティング。自分のなりたい理想像を考え、そうなるためにはどうしたらよいかを考える。目標を持って進む。
2.常に振り返りをする。
結果がどうであったかを小さなことでも考える。
よくできた時には、どうしてよくなったのか。
できなかった時には、なぜうまく行かなかったのかを考えて、次に生かす。
その日その日をどのように過ごすか選択し、自分の意図を持って過ごすことで、必ず変わってくることがある。
3.謙虚であること。
人に対して、自分に対して謙虚であること。わからないことについて人に教えを請うことができるかどうか。
自由とは、心の中にあるものだと思う。
どうか、これまで自由学園で学んできたように、社会通念に縛られるのではなく、自分の頭でよく考え、そして人の話をよく聞いて下さい。願いを持って自分の進む道を考えて下さい。
「明けない夜はない。」この言葉を皆さんにお贈りします。

最後に矢野学園長が、「自由学園は皆さんにとって第2の家庭、心のふるさとです。いつでも帰ってきてください。皆さんを自由学園の手紙として送ります。いってらっしゃい。」と送り出し、卒業式を終わりました。

式後には、在校生手づくりのサンドウィッチやケーキなどによるお茶の会が開かれ、東京学芸大学大学院教育学教授成田喜一郎様、卒業生、父母代表の方のスピーチがありました。その後新卒業生父母が食事や会場を準備されて、卒業感謝会が開かれました。卒業生、父母、教職員が互いに感謝の気持ちを語り合い、新しい卒業生たちが、自由学園で学んだことを大事にしながら、これから社会で活躍できますようにと、共に願うひとときを持つことができました。

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