3月21日(木)自由学園第97回卒業式/近況 - 一貫教育の【自由学園】/ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

3月21日(木)自由学園第97回卒業式/近況 - 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上【一貫教育の自由学園】

近況

3月21日(木)自由学園第97回卒業式

3月21日(木)自由学園第97回卒業式

3月21日(木)自由学園第97回卒業式

2019年3月23日

2019年3月21日(木)午前10時より自由学園第97回卒業式が記念講堂で行われました。
お世話になった方々、新卒業生のご家族の皆様、在校生、卒業生、教師らが見守る中、最高学部4年課程の男子女子29名、2年課程の女子5名が卒業いたしました。

在校生のウィンドオーケストラの演奏とピアノ演奏で新卒業生が入場し、式が始まりました。
国歌斉唱の後、自由学園の校名の由来である聖書の箇所、ヨハネによる福音書第8章から司会者が朗読。新卒業生が讃美歌447番を歌った後、高橋和也学園長より、新卒業生一人ひとりに卒業証書が授与されました。そして、新卒業生から4年課程、2年課程の各代表が、卒業に際し、自由学園で入学以来友と共にどのように歩んできたか、また、最高学部でどのようなことを感じ、自分と向き合い学んできたかを、感謝と共に述べました。誰かから言われたからとか、評価されるからとかでなく、自分の考えをしっかりと持ち、心から願うことを大事にして社会の中で行動できる人になりたい。学園で学んだ協力と愛を思い、小さなことからでも愛のある行動を、そして社会に対して主体的に関わる人でありたいなど、自由学園の卒業生としての志が力強く感じられることばが述べられました。


  • 讃美歌をうたう新卒業生

  • 壇上には、左から村山理事長、来賓の湯浅誠様、高橋学園長、渡辺最高学部長

  • 卒業証書授与

  • 4年課程新卒業生

  • 卒業証書授与

  • 2年課程新卒業生

  • 「卒業に際して」4年課程代表木下和裕君

  • 「卒業に際して」2年課程代表大塚葵さん

  • 卒業研究について報告する浅井皓生君と山内早弥さん

 

高橋和也学園長の「卒業生におくる言葉」、および社会活動家・法政大学教授湯浅誠様よりいただいた来賓祝辞の中からお伝えします。

高橋和也学園長
卒業までの数日間に、新卒業生の皆が自分の思いを語る機会が何回かあり、それらを聞いて、このクラスが温かい集まりをこれまでに作ってきたことを感じた。自由学園が大事にしている「思想しつつ 生活しつつ 祈りつつ」のことばの「祈りつつ」は、実は始めはなかった。創立者の羽仁もと子と吉一が、まだ幼い次女を病気で喪った時に、間もなく亡くなる子どもの枕辺で祈り、そして見送ってからの祈りの日々の中で育まれた信仰により、あとから加えられた言葉である。学園では互いに話し合う機会は多くあるが、信仰について語り合う機会はあまりなかったことを思い、新卒業生が集まる機会に、各自がこれまで読んできた聖書の中で最も心に残っていることばと、そのことばについてのコメントを書いてもらった。集まったものは、大変正直で率直な思いをもって書かれていることに感動した。
「あなたの体のともし火は目である。目が澄んでいれば、あなたの全身が明るいが、濁っていれば、体も暗い。」「求めなさい。そうすれば、与えられる。」「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。どんなことにも感謝しなさい。」等々、選ばれた聖句とコメントのいくつかを紹介。これから社会に出ると、新しい環境の中でいろいろなことに出会うことになり、もしかしたら傷つくこともあるかもしれない。けれども、人の弱さや痛みを知っているから、様々なことに気づき感じることができるということも知っていてほしい。イエス・キリストは、常にに人々の中でも弱い立場にある人々に寄り添っていた。自身がいわれのない罪で十字架にかけられている時でさえ、隣で十字架にかけられている罪人に、共にあると言葉をかけている。「思想しつつ 生活しつつ 祈りつつ」。これからいろいろなことに出会った時に、きっと学園で共に過ごしてきた友が支えとなってくれる。さらにその私たちを支えて下さっている神様から、愛を与えられていることを思い、祈りつつ過ごしていってほしいと願っている。

来賓演説 湯浅誠様(社会活動家・法政大学教授)
皆さんは、幸せな環境に身を置く権利がある。しかし、何が幸せなのかは正解はない。どうしたらよいのか迷いを持つことは多々あると思うが、何かの選択をするときに、こうすればよいということはわからない。3年後、5年後どうなるかは誰にもわからない。その時の選択が正解になるようにそれぞれが努力していくことが必要となる。
長い間、社会では、「若くて健康な男性」を「普通」とする尺度があり、それ以外の人たちは、その様なふりをして過ごす、あるいはそうでない人たちが謝るような立場におかれることが多々あった。親が子どもに向かって、「とにかく「普通」であればいい。「普通」にしてちょうだい。」と言うのを聞くことがある。しかし「普通」とは何なのか。それが、これまで長い間「若くて健康な男性」という指標であった。
そうでない人は、病気を隠す。日本人ではない人が日本人のふりをする。女性は男のように、それ以上に働かないと認めてもらえない。介護や出産などの事情で働き方が変わる時に、なぜか謝っている。年を取った者が若い者には負けないと言うなど。今、なぜ妊娠したからと仕事先で謝らなくてはならないのか?と疑問に思う人が増えてきている。この数年で確かに変わってきていることもある。
今社会は「稼ぎの価値観」から、「暮らしの価値観」に変わってきている。皆も就職を考える時に、ブラック企業かどうかをチェックする人も多かったのでは?5年位前まではそういうことはなかった。
今、「暮らしの価値観」で動くようになり、多様性も重んじられるようになってきた。しかし、それですべてがよくなっていくのかというと、多様性によって人とのつながりが持ちにくくなるということが起こってきている。つながりがなくバラバラになっていく。そういうことが世界中で起こってきている中で、人と人がつながるための工夫をしなくてはならない。それは「人と対話すること。」テーマについて話し合うのではなく、相手の人生に関心をもって話すこと。好意的な関心をもって話す対話が必要ということ。
卒業する皆さんは、社会に出ていろいろなことに出会い、悩むこともあると思う。「皆さんは、幸せな環境に身を置く権利がある。」そして「人に対し関心を持ち、対話をすること」この二つのことを思っていていただきたい。


  • 卒業生に贈る言葉 高橋和也学園長

  • 来賓祝辞 湯浅 誠 様

  • 式が終わり、新卒業生を送り出す

湯浅様のお話に、会場から大きな拍手が送られました。最後に会場にご列席の皆様も含め全員で校歌を歌い、高橋学園長が新卒業生を「行ってらっしゃい」と送り出し卒業式を終わりました。
式後には、在校生手づくりのサンドウィッチやケーキなどによるお茶の会が開かれ、男子部25回生(卒業50年)の卒業生代表堀田純一さん、『婦人之友』編集長羽仁曜子さん、保護者代表河村勝己さんのスピーチがありました。
14時半からは、新卒業生父母が心づくしの手作りのお食事や会場を準備されて、卒業感謝会が開かれました。新卒業生、保護者の皆さま、教職員が互いに感謝の気持ちを語り合い、新しい卒業生たちが、自由学園で学んだことを大事にしながら、これから社会で活躍できますようにと、共に願うひとときを持ちました。


  • 在校生が用意したお茶 手作りのサンドウィッチ・ジュース・ケーキ

  • お茶の会会場(女子部食堂)

  • 新卒業生のテーブルのセッティング

 

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