「みんなの日」新型コロナウイルス感染者数が急増する11月21日にリモート講座で開始された。
冒頭の「礼拝」で“忘れられない々” 納富 信夫さん(4期生)
家族の子犬が治療を受けに通う間に親しくなった動物病院の先生に、今度は自分が頸椎を痛めて困っているときに気功の先生を紹介していただいた。“気”の治療方法を続け、すっかり症状が和らぎ普通の生活ができている。元は子犬の先生から続く縁に感謝しているという忘れられない方のお話だった。
「教養講座」は、国立感染症研究所(感染症疫学センター 主任研究官)の菅原民枝さんを招いてのお話。タイトルは「新型コロナウイルス感染症の流行を考える」。まさにドンピシャリのタイミングである。
しかも、インターネットを使ったリモート講座。菅原さんが壇上のスクリーンに大写しとなって登場。さまざまな映像や文言、数字なども次々に写るという初めての試みとなった。LA学生のうち20名以上は自宅でパソコンの前に坐り、授業を受ける。
新型コロナウイルス感染症の弊害を極力減らそうというLA側の熱意によって実現した、画期的な試みである。
お話は天然痘、ペスト、コレラなどさまざまな細菌やウイルスを人類がどのようにして克服してきたかの歴史から始まり、疫学から浮かび上がったコロナウイルスの性質やその感染防止策に移っていった。(疫学とは、実際に感染した人たちの活動した場所、その数、感染の形態などから、病原体の性質や特徴を割り出そうという学問で、最近は感染症以外にも研究分野が広がっている)。
お話によれば、現在流行している新型コロナウイルスに感染した男女の性別は、国立感染症研究所の報告書によると、男性1.3に対して女性1。男性の方が少し多い。年齢別には20代から30代が最も多いが、幼児も含めて重症になる数は少ない。他の年代に比べて、60代から80代は発生数は低いが、重症化する率が高い。
インフルエンザと新型コロナウイルス感染症の違いは、その潜伏期間(感染してから症状がでるまでの期間)。インフルエンザは一~三日間。新型コロナウイルスは一日から十四日間(平均5日)。始めに、両者を見分けるのは困難だから、風邪を引いたと思ったら、保健所や最寄りの医者にまず電話連絡すること。間違っても自分で判断しないこと。
いつ頃になったら終息するかとの学生からの質問に答え、「分からない」と答えるしかないが、社会全体に一定の免疫力が付いてこないと終息したとは言えない、とのこと。
したがって、コロナとの戦いはまだまだ続くが、手洗い、マスク、換気など守り、いわゆる「三密」も避けるなら、あまり過剰に神経質になったり、萎縮したりせず、普段通りの生活を保って元気に生活していって欲しいとの結論だった。
お話が終わると、満場の拍手。スクリーン上の菅原さんにも届いたようで、両手を振っての交歓光景となった。
教養講座の終わったあとは、事務報告、協力委員会から来月の落語会などのイベント紹介があり、終会。壇上には、来月のクリスマスを迎えるため、自主グループの「アート&クラフト部」が作成した、しゃれた「ツリーオブジェ」がみんなを見送っていた。 市岡 揚一郎