飯能市と自由学園は,2019年1月に名栗植林地(11.55ha)について森林整備協定書を締結しました.
(参考)飯能市と学校法人自由学園が 連携による森林整備協定を締結

この協定書に基づいて,飯能市は埼玉県の「彩の国みどりの基金」を活用して行う水源地域の森づくり事業を名栗植林地で行うことになり,飯能市,西川広域森林組合(事業の実施者)と自由学園の3者の間で「水源地域の森づくり事業実施に係る協定書」を11月24日締結しました.
埼玉県の水源地域の森づくり事業とは,河川の上流域など水源地域の森林を対象として,水源涵養機能などの公益的機能の維持を目的として健全な育成を行うための事業です.

名栗植林地で行われる本事業には,2つの事業があります.
1)植林地内の約3haについて,現状の3割を間伐する事業
間伐をすることで,林内に日光がより多く差し込むと下層植生が豊かになり表土の流出も防ぐことができるので,水源かん養機能(降水の貯留や河川流量の安定化など)が高まります.木の幹が太くなり風雪に強い森になります.光が入ることによって二酸化炭素の吸収量が増加したり,下層植生が豊かになることで多様な生物を維持することにも役立ちます.
2)間伐事業に伴って,全長約1㎞の森林作業道を開設する事業
正丸峠を通る国道299号線旧道沿いの奥村茶屋の向かいから入り,他の権利者の林を一部通り,名栗植林地内を東西に横断する全長約1㎞の森林作業道が開設されます.森林作業道とは間伐をはじめとする森林整備のための路網の一つで,木材の集材・搬出のために利用する幅員2~3mの道のことです.複数の権利者の同意を得るため市には多大なご尽力をいただきました.
以上の事業は,12月中旬からのスタートを予定しています.
■ 事業を表す地図

*実線で示す分収林の範囲はおおよそで境界を示すものではありません.
文責:鈴木康平
環境文化創造センター(杉原・鈴木・遠藤・吉川)