「コミュニティナース、3人の卒業生の活躍」/前学園長ブログ - 一貫教育の【自由学園】/ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

「コミュニティナース、3人の卒業生の活躍」/前学園長ブログ - 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上【一貫教育の自由学園】

前学園長ブログ

「コミュニティナース、3人の卒業生の活躍」

2023年12月20日

今日12月9日の朝日新聞beの「フロントランナー」は、コミュニティナースカンパニー創設者であり代表の矢田明子さん。矢田さんはForbes Japan6月号の特集「いま注目すべき『世界を救う希望』100人」にも選ばれています。

コミュニティナースは、看護の知識をベースに、地域住民の日常生活のさまざまな場面でのつながりを作りつつ、住民と一体となって地域における「心と体の健康づくり」に携わる仕事です。

記事の中で北海道で活躍する自由学園卒の「3人」についても触れられていました。誇りを持って働くこの3人、西上さん、今村さん、稲本さんの様子は私も北海道での卒業生の集まりでお会いし感じたことでした。

3人の働きぶりから自由学園に関心を持った矢田さん、「3人が学んだ自由学園を見てみたい」と7月に来校されました。

コミュニティナース創設の背景には、矢田さんご自身が、ご家族を入院先の病院で亡くされたことから、病気になる前の日常生活の大切さ、日々何気ないつながりの中での健康管理や体調変化をとらえることの重要性に気づいたことがあるそうです。

そこから一念発起し看護師資格を取得、試行錯誤しつつ看護師の働きを地域に開き、相互ケアの仕組みを町なかに埋め込むコミュニティづくりにたどり着いたそうです。地元島根を拠点に活動をはじめ、現在は全国に展開されています。

西上さん、今村さんは、2021年、初めて看護師資格を持たずに採用されたスタッフだったそうですが、基本的な生活力の土台が身についていたこと、答えのない問題にも飛び込む姿勢を持っていたこと、また失敗しても修正していくたくましさを身につけていたことなど、研修期間中、8人の同期生の中でもよい影響を与える存在だったとのこと。

そして、彼らの口からたびたび「こういったことは学校でもやってきたので」という言葉が出ることから、自由学園への興味が深まったそうです。

一方、稲本さんは病院勤務の看護師として働きつつ、もっと身近にケアする人とつながりたいと願っていたところ、同級生である西上さんのコミュニティナースの取り組みをインターネットで発見し、ここに合流することがかなったそうです。

矢田さんは研修期間中の稲本さんと共に暮らしたそうですが、その様子を語る言葉から稲本さんへの信頼が感じられとても温かい気持ちになりました。現在は3人でチームを組み、互いに補い合いつつそれぞれの力を発揮しているそうです。

矢田さんは、関係性が薄くなりがちな時代だからこそ、地域の誰もが互いをケアし合う社会を目指す、1億コミュニティナース計画を推進中です。

一人ひとりが自分らしさを発揮し、互いに活かし活かされつつ、温かい思いやりでつながるコミュニティをつくる。これはコミュニティナースの目指すものであり、学校という小さな社会が目指すべき目標でもあります。

高橋和也Facebook 2023年12月9日

カテゴリー

月別アーカイブ