「我らは進む」/前学園長ブログ - 一貫教育の【自由学園】/ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

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前学園長ブログ

「我らは進む」

2024年3月15日

今年最初の男子部での礼拝。生徒たちの純粋な思いにふれました。4月からの共学化に向けた男子部としての最後の学期となることを踏まえて、私は男子部が校歌としている「男子部讃歌」についての話を用意しました。

我らは進む 茨の道を
我らは越えゆく 荒海を
おおいなる使命 導きの手よ
いざ呼び覚まさん 黎明を

1939年、生徒自身によりこの歌が作られたときには、盧溝橋事件から2年がたち、すでに自由学園でも教練が行われていました。キリスト教に基づく人間教育実現の理想を掲げ、文部省認可を受けない学校として独自の道を選んだ自由学園には、ひとたび戦争が始まれば卒業生は真っ先に戦地に送られことになるという緊張感がありました。

当時の「学園新聞」を読むと、この歌詞には、その緊張感の中、時代が直面する危機に、自由学園で学んだ者の使命感を持って向き合おうという生徒自身の決意が示されていることがわかります。

今この世界もさまざまな困難を抱え「茨の道」、「荒海」が広がっています。一体私たちが向き合うべき本当の「使命」はどこにあるのか、一人ひとりよく考えられるようになりたい。そしてどんなときにも私たちの希望が、その「使命」の道に、「導きの手」として道を示してくださる神さまと共にあるときに生まれることを信じられるようになりたい。暗闇のような状況の中で「いざ呼び覚まさん黎明を」(詩篇57編)と自らを奮い立たせたダビデのような信仰を、私たちも持たせていただきたいと心から願います。

このような話をしようと思い男子部に向かうと、何と男子部入り口の黒板に「我らは進む」と男子部讃歌の歌い出しの言葉が書かれていてとてもびっくりしました。

礼拝が行われるホールで委員長のT君にこの言葉について尋ねると、始業式に就任したばかりのT君が今期の目標として「我らは進む」を掲げ、「荒海に飛び込む勇気を持とう」と呼びかけたと話してくれました。T君が深い思いを持ってこの言葉を選んだことを知り、思いが重なったことをとてもうれしく感じました。

聖書はマルコ6章から、荒れたガリラヤ湖で夜通し逆風に漕ぎ悩み立ち往生する弟子たちの舟もとに、イエスさまが水上を歩いて向かってきたことを伝える箇所を読みました。

礼拝に続いて語られた生徒の感想の中には「男子部讃歌の背景の聖書のことなどが知れてよかった」「日々の生活にある飛び込むべき『荒海』に向き合っていきたい」といった言葉もありました。この歌詞に込められた精神を今も生徒たちが大切に受け継ごうとしていることが感じられ、重ねてうれしく思いました。

高橋和也Facebook 2024年1月20日

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