自由学園男子部・女子部(中・高等科)の『探求』 学園独自の「探究型学習」を目指して/メディア:雑誌 - 一貫教育の【自由学園】/ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

自由学園男子部・女子部(中・高等科)の『探求』 学園独自の「探究型学習」を目指して/メディア:雑誌 - 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上【一貫教育の自由学園】

メディア:雑誌

自由学園男子部・女子部(中・高等科)の『探求』 学園独自の「探究型学習」を目指して

2022年4月29日

2022年度からの文部科学省による高校の新教育指導要領において、総合的な学習として探究型の授業が必須となりました。自由学園では2021年度より男子部・女子部(中等科・高等科)で「探求」の時間を設け、全員が取り組んできています。ここでは、自由学園の「探求」の考え方をお伝えすると共に、昨年度の中等科の「探求」のまとめとも言える3月に行われた「学びの共有会」の様子からお伝えします。

■目次
・自由学園では「探究」ではなく「探求」としています
・問いも学びの推進も、一人一人が自分で考えて決めるのが大前提
・「問い」について
・探究の進め方
・時間割の工夫 土曜日は「探求の日」
・発表の仕方
・2021年度「学びの共有会」の様子から
・教師の関わり方
・1年間の結果と今後への期待

※「探求」関連記事のご紹介 『婦人之友』2022年5月号掲載

 

■自由学園では「探究」ではなく「探求」としています
新教育指導要領では「探究」の漢字が用いられていますが、自由学園では、その問いが生涯を通じた「真理の探求」「生きる意味の探求」につながることを願い、「探求」を用いています。
自由学園の「探求」は、100年前の創立以来、知識の詰め込みではない総合的な学びを目指して進めてきたその思想に根差しており、「すべての学びは日々の生活の中にある」とする自由学園の教育理念「生活即教育」「生活即探求」がベースとなっています。
各人がそれぞれの興味や問題意識から出発し、実生活を土台として自ら問題を発見し、主体的・協働的に学び、問題解決に向かう力を養います。
自由学園の「探求」では、「総合」を代表とした日本の教育の課題を分析し、その克服を「経験主義」に求めています。これからの日本の教育の方向に対するオルタナティブを提案します。

問いも学びの推進も、一人一人が自分で考えて決めるのが大前提
一般的には、「課題設定」→「情報収集」→「整理・分析」→「まとめ・表現(発表会での発表)」等が1年間のプログラムとして組まれることが多く、最後の発表に向けてスタンプラリーのように次の段階に進む、半ば一斉授業のような進め方が多く見受けられますが、自由学園では、まず「問い」を自分で発見し決めるところから、すべて生徒が自分で考えることを徹底し、すべてその人自身のペースで進むことを重んじています。
アドバイザーの教師は問われたら、学び方やその方法についての助言はしますが、答えを出すことはしません。友だちと話すことで刺激を受けて、新たな手法やテーマに気が付くのは良いことと考えています。

「問い」について
すべての問いは、生徒自身のそれまでの経験や興味の対象、環境など、その人自身の生活そのものから生まれてくるものと捉えています。
本当に知りたいと思う問いが見つかると、学びの意欲がわいてくるようです。
・自分が興味を持っていることは何かを知ろうとすることから始まる。
 (問いが見つからなければ好きなことをとにかくやってみるなど、体験することも大事)
・ジャンルは問わない。
・いつまでに問いを決めるという締め切りは作らない。
・問いは、学びを進める中で変更してもかまわない。

探求の進め方
生徒が知りたいと思ったことを自分で考えて調べてみる、体験して確認するなど、学びの方法も生徒自身が模索することを重んじています。
生徒の問いの分野と関係なく、アドバイザーとして各生徒を担当している教師がいますが、あくまでも学び方のアドバイザーであり、答えを出すことはしません。
なお、図書館での調べものの仕方や問いの探し方、まとめ方等々、教職員が学び方の手法を伝える特別講座を順次開催しており、聞きたい生徒は自由に選んで参加できるようにしました。
個人で探求する中で、同じ問いを持つ人同士が自然発生的にグループになって探求を進める場合もあり、それも認められています。
時々行う中間での共有の会を通して、新たなアプローチの仕方を発見して、さらに学びが発展していく場合もよく見られます。
毎回の「探求」の時間の最後には、各自が「振り返りシート」を記入して、次週にステップアップして行けるようにしています。

時間割の工夫 土曜日は「探求の日」
中等科の「探求」の時間は、毎週土曜日に午前中3単位を通しで設けました。3学年全員で男女も一緒です。
模索する時間を充分設け、学びの自由度をあげて、生徒が自分自身の考えで発展させていけるようにと時間割も工夫し、教師も配慮してきました。
生徒の中には、探求を進める中で興味がふくらみ問いも増えて、解散後や休日の時間も使って自ら学外へ調べに行ったり、専門家を訪ねて行ったりしている生徒もいます。このような経験の積み重ねにより、大人になってからも、いつでも自分で学び、学びを深めていける力が養われることを願っています。
(自由学園の中・高等科は地方や海外から入学している寮生がいるので、土曜日は登校し、夏・冬休みの日数を増やしています。)

発表の仕方
3月に行った「学びの共有会」では、これまで探求を進めてわかったことを1枚のポスターにまとめて、それを見せながら説明をしたり質問を受けたりすることは全員しましたが、プレゼンテーションの仕方は自由にしました。
ステージでの発表を希望する人、実演や体験コーナーを設ける人など、それぞれ自分のしたい方法で自由に表現してよいことにしました。
初めての試みでしたが、この共有の会により、生徒も教師も互いに刺激を受けることが出来たと思います。

2021年度「学びの共有会」の様子から

➀自由学園の鳥を探求している生徒
:様々な野鳥が見られる学園キャンパスでのフィールド調査だけでなく、学園で発見された野鳥(シロハラ)の死骸を用いてはく製をつくり、それをもとに鳥の身体について報告している様子です。


②粉塵爆発の探求をしている生徒:ガソリン以外で自動車を動かせないかと考え、理論的な仮説をたてるだけでなく、最高学部(大学部)の教員とも連携し、実際に実験を行ってデータを収集し、仮説を検証しています。写真は、実際にウワミズザクラの木の粉を用いて実験を行いながら報告を行っている様子です。装置も手作りしました。


③相撲の歴史を探求している生徒:大相撲に関心のある生徒が、歴史的なアプローチで相撲を探求しています。一次資料にあたりながら丹念に研究し、昨年度の成果を一冊の冊子にまとめました。自費で制作して、周囲に配っています。

教師の関わり方
総合的な学習は以前より機会がいろいろありましたが、この「探求」の取り組みは自由学園でも初めてのことなので、教師たち自身もどのように対応すればよりよいのか、まさに探求しており、刺激を受けています。
あくまでも生徒が主役ですが、教師それぞれの持ち味を生かせる場ともなっており、探求を進める中で、その分野の教師が、生徒から普段の授業では出ない様々な質問を受けることも多々あります。

1年間の結果と今後への期待
この「探求」の時間は、1学期のはじめは正に混沌として、どうしたらよいのかわからない生徒もいて、思い悩んでいるような姿も見られました。
しかし、普段は授業を通して学ぶことの多い生徒たちにとって、道筋が決まっていない中で模索したり挑戦してみたりする時間が、自分で学んでいく力を養う上で、非常に有意義であったと思われます。

いよいよ自分にとっての問いが決まり色々調べ始めるとさらに興味がわいてきて、学びがどんどん広がり深まっていき、さらに新たな問いも見つかってきます。
生徒それぞれが「目から鱗が落ちる」ような、アッと思うような出会いや結果にたどり着くなど、学びの楽しさを体験できることを期待しています。

******

※「探求」関連記事のご紹介
『婦人之友』2022年5月号(婦人之友社)

記事タイトル:「探求」新しい自分を発見する学び」 P90~P100
森本 扶(『子ども白書』編集委員長)×高野 慎太郎(自由学園女子部教諭)

2022年度からの文部科学省による高校の新教育指導要領において、総合的な学習として探究型の授業が必須となりました。自由学園では2021年度より男子部・女子部(中等科・高等科)で「探求」の時間を設け、全員が取り組んできています。ここでは、自由学園の「探求」の考え方をお伝えすると共に、昨年度の中等科の「探求」のまとめとも言える3月に行われた「学びの共有会」の様子からお伝えします。

■目次
・自由学園では「探究」ではなく「探求」としています
・問いも学びの推進も、一人一人が自分で考えて決めるのが大前提
・「問い」について
・探究の進め方
・時間割の工夫 土曜日は「探求の日」
・発表の仕方
・2021年度「学びの共有会」の様子から
・教師の関わり方
・1年間の結果と今後への期待

※「探求」関連記事のご紹介 『婦人之友』2022年5月号掲載

 

■自由学園では「探究」ではなく「探求」としています
新教育指導要領では「探究」の漢字が用いられていますが、自由学園では、その問いが生涯を通じた「真理の探求」「生きる意味の探求」につながることを願い、「探求」を用いています。
自由学園の「探求」は、100年前の創立以来、知識の詰め込みではない総合的な学びを目指して進めてきたその思想に根差しており、「すべての学びは日々の生活の中にある」とする自由学園の教育理念「生活即教育」「生活即探求」がベースとなっています。
各人がそれぞれの興味や問題意識から出発し、実生活を土台として自ら問題を発見し、主体的・協働的に学び、問題解決に向かう力を養います。
自由学園の「探求」では、「総合」を代表とした日本の教育の課題を分析し、その克服を「経験主義」に求めています。これからの日本の教育の方向に対するオルタナティブを提案します。

問いも学びの推進も、一人一人が自分で考えて決めるのが大前提
一般的には、「課題設定」→「情報収集」→「整理・分析」→「まとめ・表現(発表会での発表)」等が1年間のプログラムとして組まれることが多く、最後の発表に向けてスタンプラリーのように次の段階に進む、半ば一斉授業のような進め方が多く見受けられますが、自由学園では、まず「問い」を自分で発見し決めるところから、すべて生徒が自分で考えることを徹底し、すべてその人自身のペースで進むことを重んじています。
アドバイザーの教師は問われたら、学び方やその方法についての助言はしますが、答えを出すことはしません。友だちと話すことで刺激を受けて、新たな手法やテーマに気が付くのは良いことと考えています。

「問い」について
すべての問いは、生徒自身のそれまでの経験や興味の対象、環境など、その人自身の生活そのものから生まれてくるものと捉えています。
本当に知りたいと思う問いが見つかると、学びの意欲がわいてくるようです。
・自分が興味を持っていることは何かを知ろうとすることから始まる。
 (問いが見つからなければ好きなことをとにかくやってみるなど、体験することも大事)
・ジャンルは問わない。
・いつまでに問いを決めるという締め切りは作らない。
・問いは、学びを進める中で変更してもかまわない。

探求の進め方
生徒が知りたいと思ったことを自分で考えて調べてみる、体験して確認するなど、学びの方法も生徒自身が模索することを重んじています。
生徒の問いの分野と関係なく、アドバイザーとして各生徒を担当している教師がいますが、あくまでも学び方のアドバイザーであり、答えを出すことはしません。
なお、図書館での調べものの仕方や問いの探し方、まとめ方等々、教職員が学び方の手法を伝える特別講座を順次開催しており、聞きたい生徒は自由に選んで参加できるようにしました。
個人で探求する中で、同じ問いを持つ人同士が自然発生的にグループになって探求を進める場合もあり、それも認められています。
時々行う中間での共有の会を通して、新たなアプローチの仕方を発見して、さらに学びが発展していく場合もよく見られます。
毎回の「探求」の時間の最後には、各自が「振り返りシート」を記入して、次週にステップアップして行けるようにしています。

時間割の工夫 土曜日は「探求の日」
中等科の「探求」の時間は、毎週土曜日に午前中3単位を通しで設けました。3学年全員で男女も一緒です。
模索する時間を充分設け、学びの自由度をあげて、生徒が自分自身の考えで発展させていけるようにと時間割も工夫し、教師も配慮してきました。
生徒の中には、探求を進める中で興味がふくらみ問いも増えて、解散後や休日の時間も使って自ら学外へ調べに行ったり、専門家を訪ねて行ったりしている生徒もいます。このような経験の積み重ねにより、大人になってからも、いつでも自分で学び、学びを深めていける力が養われることを願っています。
(自由学園の中・高等科は地方や海外から入学している寮生がいるので、土曜日は登校し、夏・冬休みの日数を増やしています。)

発表の仕方
3月に行った「学びの共有会」では、これまで探求を進めてわかったことを1枚のポスターにまとめて、それを見せながら説明をしたり質問を受けたりすることは全員しましたが、プレゼンテーションの仕方は自由にしました。
ステージでの発表を希望する人、実演や体験コーナーを設ける人など、それぞれ自分のしたい方法で自由に表現してよいことにしました。
初めての試みでしたが、この共有の会により、生徒も教師も互いに刺激を受けることが出来たと思います。

2021年度「学びの共有会」の様子から

➀自由学園の鳥を探求している生徒
:様々な野鳥が見られる学園キャンパスでのフィールド調査だけでなく、学園で発見された野鳥(シロハラ)の死骸を用いてはく製をつくり、それをもとに鳥の身体について報告している様子です。


②粉塵爆発の探求をしている生徒:ガソリン以外で自動車を動かせないかと考え、理論的な仮説をたてるだけでなく、最高学部(大学部)の教員とも連携し、実際に実験を行ってデータを収集し、仮説を検証しています。写真は、実際にウワミズザクラの木の粉を用いて実験を行いながら報告を行っている様子です。装置も手作りしました。


③相撲の歴史を探求している生徒:大相撲に関心のある生徒が、歴史的なアプローチで相撲を探求しています。一次資料にあたりながら丹念に研究し、昨年度の成果を一冊の冊子にまとめました。自費で制作して、周囲に配っています。

教師の関わり方
総合的な学習は以前より機会がいろいろありましたが、この「探求」の取り組みは自由学園でも初めてのことなので、教師たち自身もどのように対応すればよりよいのか、まさに探求しており、刺激を受けています。
あくまでも生徒が主役ですが、教師それぞれの持ち味を生かせる場ともなっており、探求を進める中で、その分野の教師が、生徒から普段の授業では出ない様々な質問を受けることも多々あります。

1年間の結果と今後への期待
この「探求」の時間は、1学期のはじめは正に混沌として、どうしたらよいのかわからない生徒もいて、思い悩んでいるような姿も見られました。
しかし、普段は授業を通して学ぶことの多い生徒たちにとって、道筋が決まっていない中で模索したり挑戦してみたりする時間が、自分で学んでいく力を養う上で、非常に有意義であったと思われます。

いよいよ自分にとっての問いが決まり色々調べ始めるとさらに興味がわいてきて、学びがどんどん広がり深まっていき、さらに新たな問いも見つかってきます。
生徒それぞれが「目から鱗が落ちる」ような、アッと思うような出会いや結果にたどり着くなど、学びの楽しさを体験できることを期待しています。

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※「探求」関連記事のご紹介
『婦人之友』2022年5月号(婦人之友社)
記事タイトル:「探求」新しい自分を発見する学び」 P90~P100
森本 扶(『子ども白書』編集委員長)×高野 慎太郎(自由学園女子部教諭)

2022年度からの文部科学省による高校の新教育指導要領において、総合的な学習として探究型の授業が必須となりました。自由学園では2021年度より男子部・女子部(中等科・高等科)で「探求」の時間を設け、全員が取り組んできています。ここでは、自由学園の「探求」の考え方をお伝えすると共に、昨年度の中等科の「探求」のまとめとも言える3月に行われた「学びの共有会」の様子からお伝えします。

■目次
・自由学園では「探究」ではなく「探求」としています
・問いも学びの推進も、一人一人が自分で考えて決めるのが大前提
・「問い」について
・探究の進め方
・時間割の工夫 土曜日は「探求の日」
・発表の仕方
・2021年度「学びの共有会」の様子から
・教師の関わり方
・1年間の結果と今後への期待

※「探求」関連記事のご紹介 『婦人之友』2022年5月号掲載

 

■自由学園では「探究」ではなく「探求」としています
新教育指導要領では「探究」の漢字が用いられていますが、自由学園では、その問いが生涯を通じた「真理の探求」「生きる意味の探求」につながることを願い、「探求」を用いています。
自由学園の「探求」は、100年前の創立以来、知識の詰め込みではない総合的な学びを目指して進めてきたその思想に根差しており、「すべての学びは日々の生活の中にある」とする自由学園の教育理念「生活即教育」「生活即探求」がベースとなっています。
各人がそれぞれの興味や問題意識から出発し、実生活を土台として自ら問題を発見し、主体的・協働的に学び、問題解決に向かう力を養います。
自由学園の「探求」では、「総合」を代表とした日本の教育の課題を分析し、その克服を「経験主義」に求めています。これからの日本の教育の方向に対するオルタナティブを提案します。

問いも学びの推進も、一人一人が自分で考えて決めるのが大前提
一般的には、「課題設定」→「情報収集」→「整理・分析」→「まとめ・表現(発表会での発表)」等が1年間のプログラムとして組まれることが多く、最後の発表に向けてスタンプラリーのように次の段階に進む、半ば一斉授業のような進め方が多く見受けられますが、自由学園では、まず「問い」を自分で発見し決めるところから、すべて生徒が自分で考えることを徹底し、すべてその人自身のペースで進むことを重んじています。
アドバイザーの教師は問われたら、学び方やその方法についての助言はしますが、答えを出すことはしません。友だちと話すことで刺激を受けて、新たな手法やテーマに気が付くのは良いことと考えています。

「問い」について
すべての問いは、生徒自身のそれまでの経験や興味の対象、環境など、その人自身の生活そのものから生まれてくるものと捉えています。
本当に知りたいと思う問いが見つかると、学びの意欲がわいてくるようです。
・自分が興味を持っていることは何かを知ろうとすることから始まる。
 (問いが見つからなければ好きなことをとにかくやってみるなど、体験することも大事)
・ジャンルは問わない。
・いつまでに問いを決めるという締め切りは作らない。
・問いは、学びを進める中で変更してもかまわない。

探求の進め方
生徒が知りたいと思ったことを自分で考えて調べてみる、体験して確認するなど、学びの方法も生徒自身が模索することを重んじています。
生徒の問いの分野と関係なく、アドバイザーとして各生徒を担当している教師がいますが、あくまでも学び方のアドバイザーであり、答えを出すことはしません。
なお、図書館での調べものの仕方や問いの探し方、まとめ方等々、教職員が学び方の手法を伝える特別講座を順次開催しており、聞きたい生徒は自由に選んで参加できるようにしました。
個人で探求する中で、同じ問いを持つ人同士が自然発生的にグループになって探求を進める場合もあり、それも認められています。
時々行う中間での共有の会を通して、新たなアプローチの仕方を発見して、さらに学びが発展していく場合もよく見られます。
毎回の「探求」の時間の最後には、各自が「振り返りシート」を記入して、次週にステップアップして行けるようにしています。

時間割の工夫 土曜日は「探求の日」
中等科の「探求」の時間は、毎週土曜日に午前中3単位を通しで設けました。3学年全員で男女も一緒です。
模索する時間を充分設け、学びの自由度をあげて、生徒が自分自身の考えで発展させていけるようにと時間割も工夫し、教師も配慮してきました。
生徒の中には、探求を進める中で興味がふくらみ問いも増えて、解散後や休日の時間も使って自ら学外へ調べに行ったり、専門家を訪ねて行ったりしている生徒もいます。このような経験の積み重ねにより、大人になってからも、いつでも自分で学び、学びを深めていける力が養われることを願っています。
(自由学園の中・高等科は地方や海外から入学している寮生がいるので、土曜日は登校し、夏・冬休みの日数を増やしています。)

発表の仕方
3月に行った「学びの共有会」では、これまで探求を進めてわかったことを1枚のポスターにまとめて、それを見せながら説明をしたり質問を受けたりすることは全員しましたが、プレゼンテーションの仕方は自由にしました。
ステージでの発表を希望する人、実演や体験コーナーを設ける人など、それぞれ自分のしたい方法で自由に表現してよいことにしました。
初めての試みでしたが、この共有の会により、生徒も教師も互いに刺激を受けることが出来たと思います。

2021年度「学びの共有会」の様子から

➀自由学園の鳥を探求している生徒
:様々な野鳥が見られる学園キャンパスでのフィールド調査だけでなく、学園で発見された野鳥(シロハラ)の死骸を用いてはく製をつくり、それをもとに鳥の身体について報告している様子です。


②粉塵爆発の探求をしている生徒:ガソリン以外で自動車を動かせないかと考え、理論的な仮説をたてるだけでなく、最高学部(大学部)の教員とも連携し、実際に実験を行ってデータを収集し、仮説を検証しています。写真は、実際にウワミズザクラの木の粉を用いて実験を行いながら報告を行っている様子です。装置も手作りしました。


③相撲の歴史を探求している生徒:大相撲に関心のある生徒が、歴史的なアプローチで相撲を探求しています。一次資料にあたりながら丹念に研究し、昨年度の成果を一冊の冊子にまとめました。自費で制作して、周囲に配っています。

教師の関わり方
総合的な学習は以前より機会がいろいろありましたが、この「探求」の取り組みは自由学園でも初めてのことなので、教師たち自身もどのように対応すればよりよいのか、まさに探求しており、刺激を受けています。
あくまでも生徒が主役ですが、教師それぞれの持ち味を生かせる場ともなっており、探求を進める中で、その分野の教師が、生徒から普段の授業では出ない様々な質問を受けることも多々あります。

1年間の結果と今後への期待
この「探求」の時間は、1学期のはじめは正に混沌として、どうしたらよいのかわからない生徒もいて、思い悩んでいるような姿も見られました。
しかし、普段は授業を通して学ぶことの多い生徒たちにとって、道筋が決まっていない中で模索したり挑戦してみたりする時間が、自分で学んでいく力を養う上で、非常に有意義であったと思われます。

いよいよ自分にとっての問いが決まり色々調べ始めるとさらに興味がわいてきて、学びがどんどん広がり深まっていき、さらに新たな問いも見つかってきます。
生徒それぞれが「目から鱗が落ちる」ような、アッと思うような出会いや結果にたどり着くなど、学びの楽しさを体験できることを期待しています。

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※「探求」関連記事のご紹介
『婦人之友』2022年5月号(婦人之友社)
記事タイトル:「探求」新しい自分を発見する学び」 P90~P100
森本 扶(『子ども白書』編集委員長)×高野 慎太郎(自由学園女子部教諭)
「探究学習」についての対談が掲載されています。婦人之友社のご厚意で特別に学園HPで記事をご紹介できることになりました。本サイト内下記ブログ記事でご覧下さい。 
https://www.jiyu.ac.jp/blog/info/80188

 

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