6月9日(日)学生感想
今日は、グダニスクから鉄道で5時間かけてクラクフへ。驚いたのは、駅のお手洗いを利用するのに5ズウォティ(日本円で200円ほど)必要だった。水は3ズウォティくらい、パンは1ズウォティしなかった。日本の公共施設が無料で使えることのありがたみを知ると同時に、自分が今までその「無料」の仕組みに目を向けていなかったことにも気付かされた。
クラクフでホテルにチェックインした後は、1時間ほど市内を見て回った。旧市街を通って広場に出て、そのままヤギェロン大学の建物を見学した。中庭から2階の廊下まで1周したが、扉の模様が一つ一つ違っていてとても綺麗だった。

その後は自由行動だった。ポーランドの人は、本当に親切だと思う。私たちが日本人でポーランドの生活に慣れていないから親切にしてくれるというよりも、その親切さが社会機能の一環として組み込まれていると感じる。旧市街の石畳にはあまり点字ブロックはないが、白杖を持った人のサポートをしている場面を見たし、コペンハーゲンの空港には点字ブロックがなかったが、やはりサポートしている人がいた。環境によってというよりも、人の行動によってバリアフリーを行なっている印象を持った。
6月10日 学生感想
アウシュビッツを後にして、過ちを繰り返さないために、過去を知ることの意味がようやくわかった気がする。
今回、中谷さん(ポーランド公認ガイド)の案内のもと、アウシュビッツを見て回って、彼が時々問いかけてくることが印象的だった。
「民主主義をどうあつかうのか。それを君たちは背負っている」

民主主義とは何か。ヒトラーを選んだのは誰なのか。博物館では民主主義が崩壊する過程をよく表している。
ただ残忍な行為が行われていただけではなくて、どのようにして、どんな残忍なことがあったのかを知ること、人間が人間を選別すること、争いによって命の重さが変わってしまうこと。今、パレスチナやウクライナが大変な時に、ここに来られたことの意味を問えること。
過去を見た自分が、問いを持って今を見ることができ、かつこれからをつくる立場であることを、実感を持って再認識する機会となった。

ポメラニアン大学のHPにも記事が掲載されていますのでご覧ください。