2023 夏休み すいせん図書  №3 /図書館 お知らせ・近況 - 一貫教育の【自由学園】/ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

2023 夏休み すいせん図書  №3 /図書館 お知らせ・近況 - 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上【一貫教育の自由学園】

図書館 お知らせ・近況

2023 夏休み すいせん図書  №3 

2023年8月7日

夏休みすいせん図書 3週目をお送りします。
各部の先生方、各部図書の係、学部図書グループ学生、図書館スタッフから寄せられた原稿を、毎週月曜日に掲載します。
掲載した図書は、ほとんど学園の図書館に所蔵しています。
お住いの地域の図書館でも探してみてください。

 

【すいせん図書 2023.8.7

数学科 T先生
『吾輩は猫である』 夏目漱石 著 角川文庫ほか
『坊ちゃん』 夏目漱石 著 新潮文庫ほか
夏目漱石のこの2冊の本は、中学1年の時の夏祭りの時の古本市で、2冊合わせて200円で買いました。依頼、はまっています。「吾輩は猫である」は、夏目漱石の最初の作品で、猫の視点から人間の世界を見て語っています。現れる人物には、苦沙弥先生(くしゃみせんせい)と迷亭(めいてい)に漱石自身を反映しているのではないか(夏目漱石の奥さんの文章より)、とか、寒月(かんげつ)君は、寺田寅彦をモデルにしている、など色々背景も調べていくこともできます。

ちなみに寺田寅彦は、夏目漱石が高校で教えた生徒の一人で、のちに東大の物理の先生になります。その弟子に中谷宇吉郎博士がいて、この中谷先生が自由学園の「霜柱の研究」を高く評価して下さいました。

『雪は天からの手紙』  中谷宇吉郎 著 岩波少年文庫 
『柿の種』 寺田寅彦 著 岩波文庫
『寺田寅彦随筆集1~5』 岩波文庫
随筆集は、かなり読みごたえがあります。一方、「柿の種」はとても短い文章ですが、それぞれに味があります。夏目漱石に俳句を習っていた寺田寅彦の科学者と詩人の両面が味わえる作品です。

 

『漱石先生ぞな、もし』 半藤一利 著 文芸春秋 
夏目漱石と親戚関係にあった著者が、漱石に関する実話を色々と紹介してくれている本です。半藤一利自身は、特に第二次世界大戦に関するしっかりとした著作を残した人で、文藝春秋の編集長もした人です。

 

 

『詭弁論理学』 野崎昭弘 著 中公新書 
この先生のこの本の内容の授業を大学1年の時に受けて、僕は数学を学ぼう、と決めました。式はほとんど出てこないのに、数学の中心をしっかりと捉えた本です。NHKの「ピタゴラスイッチ」が数学の番組である、という見方と似ているのではないかと思っています。

 

『意味がわかれば数学の風景が見えてくる』 野崎昭弘 他 著 ベレ出版 
数学でわからないことがあったら、ぜひ、この本でその説明があるかをさがしてその見開き2ページの説明を読んでみて下さい。優しい言葉でごまかさずに数学を説明している数少ない本だと僕は思っています。


『オイラーの贈り物』 吉田武 著 東海教育研究所
中学生の数学の力で読み進めて、大学の2,3年まで、自力で深めていくことが出来るようになっています。「博士の愛した数式」(本や映画になった作品)で、中心に扱われているオイラーの公式を本気で説明している本です。オイラーの公式が分かった、という瞬間を一生の間に一度でも持てたら、幸せの1ピースになるのではないでしょうか。

『宇宙の地図』 観山正見・小久保英一郎 著 朝日新聞出版
宇宙の大きさを様々な写真と一緒に眺め、考えてみませんか?ベテルギウスまでの地球からの距離は約500光年と言われています。だから、今見ているベテルギウスは500年前の姿です。そう考えて星空を眺めてみませんか?

 

『ストレスフリー超大全』 樺沢紫苑 著 ダイヤモンド社
ストレスにどう対処するか、のHowTo本です。書いてあることを実際に試してみると、煮詰まっている自分や沈んでいる自分を回復させることが出来る本ではないかと思っています。


国語科 H先生

雑誌『エトセトラ』(年2回発行)エトセトラブックス
 ~まだ伝えられていない女性の声、フェミニストの声を届ける出版社です。これまでエトセトラ(その他)とされてきた女性の声は無限にあり、フェミニズムの形も個人の数だけ無限にあります。そんな〈エトセトラ〉を届けるフェミニストプレスです。(WEBサイトより)~
毎回興味深いテーマで、毎回編集人が変わるという面白い試みをしています。すでに9回発行されています。「スポーツとジェンダー」「アイドル、労働、リップ」「NO!MORE!女人禁制」学園の全ての性の人たちに読んでもらいたいです。

図書グループ K.R.さん
『影に対して-母をめぐる物語-』遠藤周作 著 新潮文庫
男子部・女子部の寮生は,普段両親に会うことは稀だと思います。本書籍を読めば両親に対する思いが深くなり、特に母親に対する思いが込み上げてくるでしょう。遠藤周作の没年後、書き留められていた短編をまとめた一冊です。

 

『パイドロス』 プラトン 著 藤沢 令夫 訳 岩波文庫
自由学園の夏休みは、毎年50日間の自由に行動できる期間です。そこで、夏休みを通し、魂の本質を哲学してみては如何でしょうか。なぜ私たちの意思が存在するのか。ぜひ、本書籍を通して自分の心と向き合ってみてください。

 

 

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