今週の1冊『学校に染まるな!』/図書館 お知らせ・近況 - 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上【一貫教育の自由学園】
図書館 お知らせ・近況
2024年7月1日
『学校に染まるな!』おおたとしまさ著 ちくまプリマ―新書著者のおおたとしまささんは、たくさんの学校を訪問してきた教育ジャーナリストです。そうした経験の中から著者が考えた「学校」について書かれたのが『学校に染まるな!』です。副題は「バカとルールの無限増殖」。なかなか挑戦的です。この副題は、校則について書かれた章にて解説がされています。つまり、校則(ルール)を厳しくすればするほど、生徒はただそれに従ってさえいればいいという、自分で考えない人になり、教員側も、何か困ったことがあれば何でも禁止すればいいという思考になってしまう。それが繰り返されてもいったい何のいいことがあるの?という話です。それ以外にも、そもそも、学校とは何をする場所なのか? という問いへの、著者の考えが詰まった内容です。ちくまプリマー新書は、中高生向けに出されている本ですが、本書は、中高生はもちろん、学校にかかわる教職員が皆、一読しておいたほうがよいのではと思いました。親もそうですが、「あなたのためを思って言っているのよ!」というのは常套句ですが、それは本当にそうなのか? 親や学校の体面を保つためだけなのではないか? と著者は問いかけます。「子ども」といっても一人の人間であり、環境を整えれば自律して思考し行動する力を持っている。このまなざしは、自由学園の創立者、羽仁もと子と同じだなと思います。
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