【生徒・学生のおすすめ本 2024.7.17】
今年も夏休みすいせん図書をお届けします。
自由学園中等部・高等部の夏休みは7月20日から始まります。今年は、先生方からのすいせん図書に先駆けて、図書グループの学部生、図書の係の中高生からおすすめの本をご紹介します。
『探究する力』市川 力/著 知の探究社(学部2年 F.R.)
この本は、いま中等部・高等部を中心に行われているような「探求・探究」を軸とした、教育・学びの具体的内容を詳しく解説してある本です。
著者が校長をしていた小学校の「テーマ学習」という探究型授業を具体例として、問いを立て、手や足を動かして理解し、それを踏まえて表現していく、という一連のプロセスが詳しく書かれています。探究に行き詰まったり、「探求・探究」を用いた教育を考えたいという方、是非読んでみてください。
『変身』フランツ・カフカ/著 高橋義孝/訳 新潮文庫(最高学部 H.T.)
ある朝、目が覚めると自分の体が巨大な虫に変わってしまったグレゴール・ザムザ。
なぜ自分の体が虫になってしまったのか分からぬまま時間だけは過ぎていく。
グレゴールと家族に起きた話を淡々と書かれているこの作品は、非常に短く読み易い上にとても面白いので時間がある時にぜひ読んでみてください。
『吾輩も猫である』赤川次郎、新井素子ほか/著 新潮文庫(中等部 S.F.)
夏目漱石の生誕150年、没後100年を記念して書かれた「吾輩は猫である」のオマージュ作品。
赤川次郎を始めとした小説家8人が”猫”を題材にした短編小説を書いた作品。
『さぶ』山本周五郎/著 新潮文庫
歴史小説において名高い山本周五郎の長編小説。
江戸下町の表具屋で働く栄二とさぶ、2人の若者の友情を書いた作品。栄二1人の視点だけで書くことでさぶの気持ちを浮き彫りにしている。
『紙の動物園』ケン・リュウ /著 古沢 嘉通/訳 早川書房
15個の話が入った短編集。
表題作では少し昔の中国とアメリカの様子が描かれるが、そのころの日本とは全然違う生活様式が垣間見られる。
SF小説のような純文学のような、幻想的な作品。
(書影及び図書館にある本は短編7編が納められた文庫版ケン・リュウ短編傑作集①)
『色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の年』村上春樹/著 文芸春秋(最高学部 H.S.)
あるきっかけから、主人公が自らに起きたショッキングな過去を振り返り克服する物語。
主人公とその周りの人物に深く共感できる一面があると思います。
疎外感や孤独を心の何処かに感じているひとに読んでほしい一冊です。
『いたずらの魔法』すしらーめん りく/著 KADOKAWA(最高学部 M.S.)
徐々にYouTuberが職業として認められている昨今、25歳で日本のトップYouTuberとして世界に発信しているすしらーめんりくさんの生い立ちやYouTubeへの想い、YouTuberとしての仕事内容などを細かいに書いている本である。
年など関係なしに、これをやってみたい!作ってみたい!を一心に圧倒的行動力でやりたいことをやる姿はまさに夏休みの自由研究の超上位互換と言っていいほどである。好きなことが職になるを体現している。