今週の1冊『家事は大変って気づきましたか?』/図書館 お知らせ・近況 - 一貫教育の【自由学園】/ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

今週の1冊『家事は大変って気づきましたか?』/図書館 お知らせ・近況 - 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上【一貫教育の自由学園】

図書館 お知らせ・近況

今週の1冊『家事は大変って気づきましたか?』

2024年12月9日

2024年12月9
『家事は大変って気づきましたか?』阿古真理 亜紀書房
「家事は一人に背負わせるものではなく、ともに暮らす人たちで協力し合って行う。家事は生活そのものである。」(本書340頁)。皆さんにとって「家事」とはどんなものでしょうか?この本の著者は、家事についてのさまざまなトピックを多面的に分析し、歴史的経緯も含めて記述しています。家事を女性が一手に引き受ける状況が長く続いてきた日本社会において、どうしてそうした状況が生まれてしまったのか、その結果、男性も含めてどんなことが起こっているのかを追っています。また「ていねいな暮らし」の呪縛や、料理、掃除などの家事がなぜ大変になってしまうのか、など、著者自身がパートナーと共に試行錯誤しながら家事をしている当事者であるだけにリアリティのある記述が続きます。最後の章「ケアと資本主義」では、これでもか、と効率化が進められてきた今の社会で、効率化と最も遠いケア(子育てや介護)の現場がどうなっているのか。主な担い手である女性が「お母さんの愛情は偉大だ」と言われながら、なぜか社会的弱者になる、その矛盾も鋭く指摘しています。つまりこれらは経済最優先思考である人たちが都合よく「つくった」システムであり、そのしわ寄せはひじょうに偏ったところに押し付けられているのです。ケアも含め、家事は生活そのものであるならば、担い手は生活者全員であるはずです。自由学園が目指す男女共学の本当の意味はここにもあるのかもしれません。

 

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