今週の1冊『イスラエル軍元兵士が語る非戦論』/図書館 お知らせ・近況 - 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上【一貫教育の自由学園】
図書館 お知らせ・近況
2024年11月25日
『イスラエル軍元兵士が語る非戦論』ダニー・ネフセタイ 永尾俊彦構成 集英社新書著者のダニー・ネフセタイさんは40年以上日本で暮らすイスラエル人です。この本は、彼が母国イスラエルで受けた教育とその結果、また日本で暮らすようになってから憲法9条の価値について確信し、自分にできる足元からの平和運動をどのようにしてきたかが書かれています。ダニーさんはイスラエルで生まれ、高校卒業後に差3年間兵役を務めました。その後、日本へ移住し家具職人として秩父で暮らしています。イスラエルでは、「国のために死ぬのはすばらしい」という愛国教育がなされます。そして、抑止力、つまり他国の脅威から自国を守るためには武器をもって武装する必要がある、との考え方を内化していきます。しかし、中東、特にイスラエルとパレスチナで続く戦闘により、パレスチナの多くの子どもたちが犠牲なったことを知ったダニーさんは、これはおかしいのでは、と抑止力による平和を疑い始めるのです。相手が武器を持っているのなら、こちらはそれ以上の武器で脅す、相手が攻撃してきたからこちらも攻撃する、つまり、きりがないのです。だとしたら、そもそもの戦争を否定する憲法9条が平和の実現には最も有効であるという結論に至ります。ダニーさんは以後、講演やSNSでの意見発信など、自分のできる方法で平和運動を開始しました。一人の力は小さくても、束になれば大きくなる。できることから自分も、と思わせられる内容です。
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