• 自由学園の教育
  • 学園長の挨拶
  • 教育理念
  • 一貫教育
  • 100周年に向けて
  • HOME
  • 自由学園の教育_教育理念
教育理念
思想しつつ 生活しつつ 祈りつつ
 自由学園の校名は、新約聖書の『ヨハネによる福音書』8章32節の「真理はあなたたちを自由にする」からとられています。自由学園の自由は、神によって与えられる自由です。それは自分の好きなことを自分勝手にする自由ではなく、責任を伴う自由です。
 自由学園の教育理念は「思想しつつ 生活しつつ 祈りつつ」と「生活即教育」という言葉で表わされます。創立者の羽仁もと子は「よく教育することはよく生活させることである」と述べていますが、私たちは、教室の中でする学科の勉強だけではなく、一日24時間すべてが勉強であると考えています。実生活のあらゆることが学びの機会となります。自分で考えることを大切にし、実物に即し、本物に触れ、よく身につく勉強を目指します。年齢に応じて、自分たちのことは自分たちでする生活を、教師や生徒みなで協力して行なっています。
 よく考えることのできる賢い頭、丈夫で健康でよく働くことのできる身体、神のため、人のために尽くすことのできる心は、別々に育つのではなく、一日24時間の生活を通して、「思想しつつ 生活しつつ 祈りつつ」育まれていきます。


自由学園

教科教育と報告会
 学科の勉強は、知識をただ覚え込むのではなく、豊かな自然に恵まれたキャンパスを生かし、実生活の体験に基づき、実物に触れ、「どうしてなのか」「何故そうなのか」と、自分の頭でよく考えることを大切にしています。そして、自分が考えたことを発表する力や、問題を発見しそれを解決することができる力を養うことを目指しています。
 初等部・女子部・男子部では、勉強報告会・学業報告会を隔年で2学期の後半に開いています。各学年1つか2つの学科を取り上げて集中的に勉強をして、その成果をまとめて表や模型を使って、全校生徒や父母の前で発表するものです。グループで自主的に調べたり、発展的な内容に取り組んだりしたものを、大勢の前で報告することにより総合的な力が育まれます。
 女子部・男子部では学年末に全員が「まとめ」を提出します。1年間勉強してきたことを振り返り、各学科、生活のことなど、「自分がどんな学びをしたのか」を自分の言葉で書いて、一冊にとじて提出します。各教科の教師や担任の教師がそれぞれコメントを添えて春休みに家庭に返却します。これはいわゆる通知表に代わるものですが、生徒本人の1年間の成長の記録となります。
 女子部・男子部では、「授業」としての習字・書写の時間はありませんが、毎週、週末に1週間を振り返って自分の言葉を選んで書いて、月曜日に提出します。それを担当教師が見て、昼食の時間に「習字解説」をします。お手本を見て字を書くのではなく、生活の中から湧き出る自分の思いを字に表わす学園の習字は独特のものです。上級生から下級生まで、お互いによい刺激を与え合いながら励んでいます。新年には初等部1年生から最高学部4年生まで、「書初め」を書いてきて、全員で見合うこともしています。


自労自治の生活
 10万㎡のキャンパスの清掃・管理など日常生活の運営は、「自分たちのことは自分たちでする」ことを大切にして、幼児生活団から最高学部までそれぞれの年齢に応じて生徒たちの手で行なわれています。
 初等部では、6年生がテーブルマスターとして、昼食時には同じテーブルを囲む下級生(各学年から構成される)の世話をします。また、食事後の掃除の時間には、掃除場所の「中心」として下級生と共に働きます。5、6年生になると「当番会当番」が週ごとに順番に出て、鐘鳴らしや放課後の見回りを受け持ち、目標を決めて全校生徒を励ましています。
 最高学部・女子部・男子部では自治の責任は委員会が中心になって担います。委員会は50日(最高学部は100日)ごとに、各クラス全員が数名ずつ順番に就任する委員で構成され、学年に応じた責任を任されます。委員長、副委員長、寮長は立候補制ではなく、該当するクラスの全員が数名ずつ順番に被選挙人となり、生徒・学生全員の選挙で選ばれます。鍵の開け閉めや掃除道具、台所の器具の管理から自治区域とよぶ担当範囲の清掃や維持管理の責任を持つ主任まで、さまざまな責任を分担して負っています。


食の学び
 創立以来、「あたたかい食事を揃っていただく」ことを大切にしています。手作りの食事を教師と生徒が共に囲む昼食の時間には、生徒による報告、音楽鑑賞、新聞解説、習字や美術作品の批評などが行なわれます。ただお腹を満たす時間ではなく、よい交わりの時であり、また、さまざまな学びの時でもあります。
 校内の畑で育てた野菜や、男子部の生徒が飼育する豚が肉となって食卓に上ることもあります。女子部では毎日、学年ごとにクラスの半数の生徒が女子部全員の昼食をつくり、男子部では週に1日高等科2年生が調理にあたります。(寮では、朝食は男子部の生徒も毎朝自炊当番が出て、自分たちで作っています)
 感謝する心を持って、育て、整え、味わい、始末する食の循環を身をもって学ぶ「食の学び」は、自由学園の人間教育の大きな柱となっています。


豊かな感性を育てる
 自然豊かなキャンパスを生かした美術教育は、「しっかりものを見る、描く、作る」という体験を通して、「感じる心、表現する力」を育てます。幼児生活団から最高学部までの全校生徒が参加して4年に一度、美術工芸展を開催し、自由学園の美術教育の発表の場としています。
 また、「よい耳を育てる」音楽教育は幼児生活団から最高学部まで、年齢に応じて歌唱や器楽の演奏や音楽鑑賞を通して行なわれます。毎年12月にはクリスマス音楽会を校内で開き、4年に一度は学外のコンサートホールで音楽会を開催しています。
 自由学園の美術教育、音楽教育はその専門家を育てるためではなく、「美しいもの」「よいもの」を感じる感性を育むことを通して人を育てる重要な柱となっています。


体をつくる
 毎日の生活を規則正しく行なうことは健康な体を作るために重要なことです。また、デンマーク体操を中心とした体操の授業やスポーツの授業も行なっています。毎年10月には、幼児生活団から最高学部までの全校生徒が参加して体操の発表をする「体操会」があります。
 年齢に応じた山登り(「遠足」と呼んでいます)も、心身の鍛錬をするよい機会になっています。初等部の生徒は高尾山などへ日帰りの登山をします。女子部・男子部の中等科は2000メートルから2500メートル、高等科は2500メートルから3000メートル級の山に2泊3日で出かけます。これは、生徒が組織を作って準備・実行する団体行動のよい訓練の場であり、地理、気象、生物などの総合的な学びの時でもあります。


たましいの教育
 私たち一人ひとりにはその人でなくてはならない「賜物」が神様から与えられています。その賜物の中で、大切なものに「自分で自分を教育しようとする力」と「人間以上の存在を畏れる心」があると思います。私たちは目に見えるものだけではなく、目には見えない存在に心を向けた生活をしたいと思っています。
 「霊性(たましい)」の成長は、頭と体の成長と共に、一日24時間すべてがその学びの場ですが、自由学園ではそれが毎日の礼拝、懇談(初等部では「懇話」)、読書の時間を通して特に育まれていきます。
 各部とも毎朝、礼拝の時を持って一日を始めています。礼拝は、神様に「おはようございます」の挨拶をする時です。讃美歌を歌い、聖書を読み、司会者の話や当番の生徒の感想を聞く礼拝のひと時は、目には見えない神様との対話の時であり、また、自分自身を静かに見つめる時でもあります。


競争ではなく協力
 「思想しつつ 生活しつつ 祈りつつ」の1日24時間の勉強は、友や先生と共に学び合うものです。一人ではできないことも、お互いに励ましあって、協力して達成できます。毎日の生活の働きから、上記に述べた「遠足」「体操会」「報告会」「美術工芸展」「音楽会」など大きな行事の運営に至るまで、生徒たちは組織をつくり、リーダーの責任を負い、また、フォローワーとして力を出します。友達は競争相手ではなく、協力していく仲間となります。団体生活を通して、人とのコミュニケーションをとる力、指導力、協調性、発表力を身につけ、責任を果たすことによって成長していきます。このような人を、世の中を少しでもよくしようという使命感を持った人として社会に送り出したいと願っています。
ページトップへ