10月18日(土)は、緑ヶ丘校舎2階ホールで10月の「みんなの日」が行われ、LA生105名(うちZoom参加2名)が参加した。
はじめに、石川リーダーの司会で礼拝が行われ、讃美歌380番「たてよ、いざたて 主のつわもの」を賛美した。
<「忘れられない人々」7期生・河村圭子さん>
「みんなの日」恒例の「忘れられない人々」は、7期生の河村圭子さんが障害を持った方を支援する活動の中で出会った方についてお話しされた。
私は長年勤務していた仕事を定年退職したあとに、国分寺市で障害のある方が外出する際に同行する支援活動に加わった。その活動の中で、知的障害から言葉を話さず、文字も書けないさやかさん(24~25歳)に出会った。彼女を家まで迎えに行って、バスと電車を乗り継いで目的地に向かった。さやかさんは、電車に乗るときにICカードを使うのは怖いということで、切符を買うことになった。私が、久しぶりに券売機をつかうので、戸惑っていたとき、さやかさんが順番に指をさして教えてくれたのだ。
はじめは出来るだけさやかさんを助けてあげたいと思って付き添いをはじめたが、さやかさんが私を受け入れてくれて、お互いの気持ちが通じ合って一緒に歩むという貴重な経験をさせてもらった。さやかさんは私の忘れられない人だ。

<教養講座『ダイヤモンドビジネス40年を振り返って‐インドで考えたこと』鶴崎全男氏>要約
今年度5回目の教養講座は、鶴崎全男氏(長年ダイアモンド輸入卸「柏圭」に勤務・リビングアカデミー生)に『ダイヤモンドビジネス40年を振り返って‐インドで考えたこと』と題して、お話を伺った。
1.ダイヤモンドとの出会いと仕事の歩み
1983年に大学を卒業後、宝石とは無縁の生活から株式会社柏圭に入社した。海外勤務に興味を持ち、入社後はインド駐在員としてダイヤモンド部に配属され、1988年から4年間ムンバイで勤務。帰国後は甲府、東京などで製造や営業を経験し、2020年に定年退職後も再雇用としてダイヤモンドの仕事を続けている。
柏圭は創業100年を迎える老舗の宝石専門商社であり、ダイヤモンドの輸入卸からジュエリー製造、販売、小売までを手掛け、ドイツの高級ブランドとの長期取引でも知られる。
2.ダイヤモンドの価値 ― 輝きの構造と形の美学
ダイヤモンドの価値は「輝き」と「希少性」にある。原石は地球が生み出した宝物であり、研磨によって初めて真の輝きを放つ。輝きは主に4つの光の要素から成る。
①ブリリアンシー(白い反射光)・②シンチレーション(動きのあるきらめき)・③ディスパージョン(虹色の光)・④全反射(白く広がる光)
これらが複雑に重なり合うことで、唯一無二の美が生まれる。特にダイヤモンドの硬さは、傷つかずにシャープな面を保ち、永続する輝きを可能にする。
形(シェイプ)も価値を左右する。世界で研磨される99%は丸型(ラウンドブリリアントカット)で、残り1%はファンシーシェイプと呼ばれる。オーバル、マーキス、ペアシェイプなどのカーブ系は優雅な輝きを持ち、角型のステップカットは落ち着いた反射が特徴で、洗練された印象を与える。ラウンドブリリアントカットは58面体が基本で、角度や厚みが厳密に数値化されており、カット技術の高さを評価できる標準的モデルとなっている。
3.希少性と4C ― 科学と美の基準
ダイヤモンドの希少性は、古代と現代の二つの側面から考えられる。
古代インドではダイヤモンドが唯一の産出国であり、王権の象徴として扱われた。その後ブラジルや南アフリカで鉱山が発見されるまで、ダイヤモンドは「神の石」として特別な存在だった。
現代における価値は、国際基準である4C(カラット、カラー、クラリティ、カット)で定義される。
- Carat(重さ):1カラット=0.2g。
- Color(色):無色のDから黄色味のZまで。窒素の含有で色が変化。
- Clarity(透明度):内包物や亀裂の有無でFL(フローレス)が最高位。
- Cut(カット):対称性と研磨精度を評価。
この4Cは米国宝石学会(GIA)が体系化したもので、日本でもGIA資格者による鑑定書が信頼されている。
また、日本独自の「ハート&キューピット(HC)」は、優れたカットの証として人気が高く、ブライダル市場で広く用いられる。
同じ1カラットでも、Dカラー・FL・3EXとHカラー・SI2・Gでは価格が5倍以上違う。さらに、ピンクやブルーなどのファンシーカラーダイヤは産出量が全体の0.1%未満であり、特にピンクダイヤはアーガイル鉱山の閉山以後ますます希少価値が高まっている。
歴史的価値を持つダイヤモンドとしては、ビクトリア女王の「コイヌール」、エリザベス女王の「カリナン」が知られる。これらは単なる宝石を超えた「歴史と権威の象徴」である。カットの改良によって輝きを得た経緯は、ダイヤモンドの価値が人の技術で高められることを示している。
4.ダイヤモンドビジネスの国際構造とインドの台頭
ダイヤモンド産業の発展は、産地と研磨地の変遷に密接に関わる。古代インドに始まり、18世紀にブラジル、19世紀には南アフリカが主要産地となり、ヨーロッパではアントワープやアムステルダムがカッティングセンターとして栄えた。その後、イスラエルがファンシーシェイプ研磨の中心となり、現代ではインドが世界最大のダイヤモンド研磨国として位置づけられている。
第二次世界大戦後、外貨不足に悩むインド政府は研磨済みダイヤの輸入を禁じ、原石を輸入して研磨後に輸出する体制を築いた。人件費の安さと技術の蓄積により、小粒ダイヤの研磨で国際的地位を確立。現在も50万人以上の研磨職人が従事している。
日本の市場は品質に厳しく、細かい注文や良いカットを求める一方、インド市場は世界全体を相手に大量取引を行うため、個別対応よりも効率を重視する。イスラエルはブローカー経由の交渉中心、アントワープは品質検品を重視するなど、各地に異なる商慣習が存在する。
インド人がダイヤモンドビジネスで成功した要因として、次の点が挙げられる。
①小粒ダイヤの研磨という独自の基盤づくり、
②世界各地への進出とネットワーク形成、
③ファミリービジネスを軸とした連帯、
④異文化への理解と柔軟な適応力。
彼らは信仰や文化的アイデンティティを保ちつつ、商売の場ではグローバルな感覚を持ち、人間的な温かさと誠実さで信頼を築いている。
結び ― ダイヤモンドに映る人間と文化
ダイヤモンドは地球の奇跡であり、人の手によって初めて輝きを得る存在である。その輝きは、物理的な光の反射だけでなく、研磨に関わる人々の努力、歴史、文化が折り重なって生まれる。40年にわたる経験を通して、ダイヤモンドの輝きの中に「人の誠実さ、技術、そして国を超えた信頼の力」を見出した。
地球からの贈り物に人が命を吹き込む――それが、ダイヤモンドビジネスの本質である。

教養講座終了後、LA賛歌を皆で歌った。
<諸報告>
- 村山理事長から10周年記念募金のお願い・募金発起人の紹介
- 「JIYU1123」案内チラシの活用について
- 催しのご案内:10/21(火)ゲーテコンサート、10/25(土)ゲンタケ、11/8(土)東久留米市役所で学部生の音楽発表
- 午後のLA祭の準備の説明
午前の部終了後、緑ヶ丘校舎前庭で、生活体操で体をほぐした。
<昼食・自己紹介>
昼食は、初等部の食堂で手作りの昼食をいただく。メニューは、ご飯、ふりかけ、筑前煮、野菜の甘酢漬け、ベイクドさつまいも。
<午後の集い:LA祭の準備>
午後1時45分から、LA祭の学生リーダーの指示の下で、LA祭の用意を行う。
パイプ椅子に養生テープを貼る作業、展示用パネルの補修とチェックを家族ごとに分かれた行い、午後2時半頃には終了。
その後、家族長の集まりを約1時間行い、それぞれの家族の活動状況を共有した。















