1月21日(土)「みんなの日」/「みんなの日」の様子 - 一貫教育の【自由学園】/ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

1月21日(土)「みんなの日」/「みんなの日」の様子 - 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上【一貫教育の自由学園】

「みんなの日」の様子

1月21日(土)「みんなの日」

2023年2月9日

1月21日(土)は1月の「みんなの日」を記念講堂で行った。気温が低い中でご本人やご家族で体調を崩される方もあって欠席者が多くなりLA生101名が出席、5名がオンラインで自宅から参加した。

はじめに、石川リーダーの司会で礼拝が行われ、讃美歌461番「主われを愛す」をコロナ感染を考慮して小声で賛美した。  

<「忘れられない人々」2期生・中村 悦子さん>

「忘れられない人々」は、2期生の中村悦子さんが、お嬢さんと共にお世話になった保育園の田中先生についてお話しされた。

年度途中ではあったが保育園のゼロ歳児クラスに娘を入園させることにした。仕事のために子どもを長時間預けることには葛藤があって、悩みながら入園を決めた。入園に際して、自分とほぼ同年代の田中先生が、「娘さんの寝返りの向きは右ですか、左ですか」と聞いてくださった。その言葉から、こういうプロの方が見てくださるのだとそれまでの不安が拭われた。その後も、仕事も家事も育児もどれも中途半端な自分に自己嫌悪に陥ることもあった。そのような自分の様子を感じてか、預けに行ったときには「大丈夫よ、任せて!行ってらっしゃい」、迎えに行ったときには「今日はよく寝て、よく食べて本当に良い子だったの!」との言葉をかけて下さった。子どもだけでなく、至らない母親の私も受け止めていて下さったのだ。田中先生を大好きだった娘も18歳になったが、私は今でも至らぬ中途半端な母のままである。それでも田中先生が、「大丈夫」と受け止めて下さったことが、私が元気で生きてこられた根っこになっていることを感じている。

<教養講座『感染症パンデミックの歴史と疫学』菅原民枝氏>要約

今年度第7回の教養講座は、菅原民枝氏(国立感染症研究所感染症疫学センター主任研究官に『感染症パンデミックの歴史と疫学』と題して、新型コロナウイルス感染症の実情も含めてお話をしていただいた。

1)感染症法上の位置づけの見直し

昨年末の11月末に政府が新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけについて、厳しい措置を講じられる「2類相当」から、季節性のインフルエンザ並みの「5類」に見直す調整に入ったことが伝えられた。そして、ちょうど第8波と言われる感染流行がピークアウトしたタイミングの昨日1月20日に岸田首相の会見が行われた。会見では、春に向けて、5類感染症にする方向で専門家による議論を開始し、5類への見直しの時期についてもできるだけ早く確認をしたいと述べた。

2)感染症パンデミックの歴史と疫学

「伝染病」として流行する病気・疫病は古くから恐れられ、国内では痘瘡(天然痘)を擬人化した痘瘡神、赤い絵や品物(赤べこなど)を置いて疱瘡除けのまじないとする風習などがあった。昨年から話題になっている19世紀のハプスブルクの皇妃を描いたミュージカル「エリザベート」の一場面には、ペストやチフスという言葉が出てくる。

【天然痘】天然痘は紀元前にもあった。治癒した場合でも顔面に醜い瘢痕が残るため、江戸時代には「美目定めの病」と言われ、忌み嫌われていた。天然痘ワクチンの接種、すなわち種痘の普及によりその発生数は減少し、WHO は1980年5月天然痘の世界根絶宣言を行った。以降これまでに世界中で天然痘患者の発生はない。

【水痘(みずぼうそう)】ウイルスによって引き起こされる発疹性の病気で、空気感染、飛沫感染、接触感染により拡がる。典型的な症例では、皮膚の表面が赤くなることから始まり、水疱、膿疱を経てかさぶたになって治癒する。1970年代にワクチンが開発され、水痘の予防に使用されている。現在は定期接種になっている。

【麻疹(はしか)】感染力はきわめて強く、発疹が現われる1~2日前ごろに口のなかの頬の裏側に小さな白色の斑点が現れる。高熱と共に発疹が全身に広がる。発疹の形や色が麻の実のように見えることから麻疹と言われる。「はしか」は「はしかい」(ちくちく・ひりひりとかゆい)に由来する。2007 年前半我が国では麻疹の大流行で大学や高校が休校となったことをきっかけに、ワクチンの 2 回接種法が定着した。

【ペスト】ニュートンがペストの流行で大学が閉鎖される中、故郷で「万有引力の法則」の論文を書いたと言われている。1894年北里柴三郎がペスト菌を発見した。福沢諭吉が資金を出して、1892年に北里のために伝染病研究所(後の国立感染症研究所)が設立された。

【コレラ】日本では江戸末期に大流行し、「ころり」として恐れられたが、汚染された水や食物を摂取することで感染することがわかり、「部屋はよく乾燥させて空気は入れ替え、体や衣類は清潔にし、みだりに井戸水などを飲んではいけない」が流行性虎列刺病予防の心得として書かれた。1854年英国ロンドンのソーホー地区でコレラが大発生、ジョン・スノウの調査によって井戸水に原因があるという仮説に基づき井戸の使用を禁じたところ、患者数は激減した。その後1884年にロベルト・コッホによりコレラ菌が発見された。病原体の発見の前に調査をして対策を行う考え方が疫学の始まりでもある。

3)新型コロナウイルス感染症と最近の動向

現在の変異株であるオミクロン株では、全国の1日当たりの重症者数を全国の1日当たりの新規感染者数で割った数値は重症率と考えられ、以前(デルタ株)に比べて減少していることがわかる。病原性は弱毒化していると考えられる。2023年1月20日現在、新型コロナウイルス感染症による死亡者数の累計が64,645人、陽性者数の累計が31,901,924人で、全人口の約25%の罹患である。一方、世界を見てみると欧米等は既に全人口の半数を超えている国がたくさんあり、それらの国では流行が一段落していた。それに対して日本はまだ罹患率が低いために、一番流行している国となったときもあった。また、インフルエンザとの同時流行も懸念されているが、現在インフルエンザの方が既に新型コロナウイルス感染症より新規発生者数が増えている。インフルエンザとの同時併発は確認されている。

様々な政策をもってこれまで新型コロナウイルス感染症に対してきたが、ここにきて2類相当から5類に扱い方を変更しようとしている。5類に緩和されると、感染者数は全数把握から定点把握へ、医療の受け入れは発熱外来などに制限していたものからすべての医療機関に拡大、医療費ワクチン接種はすべて公費から一部自己負担へ、就業制限は可能であったものが不可能に、マスクの着用は屋内で原則着用から屋内でも不要へと変更される。この変更の背景には、80歳以上重症化率が1.86%、致死率が1.69%といずれも季節性インフルエンザの数値を下回っていることが挙げられる。変更することに対する懸念としては、病原性が高まる、受診控え、ワクチン接種率の低下などが挙げられる。(*この時点での内容であることに留意が必要です。最新の情報を参考にお願いします。)

4)終わりに

高校生のときの当時の校医であった佐藤智先生から、大谷藤郎先生の名前を聞いたことがきっかけになり、大谷先生がハンセン病患者の人権保護のために「らい予防法」の廃止のために尽力されたことを知った。そして、日本ではそれまでの伝染病予防法等すべて撤廃して、1998年に「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(感染症法)が公布され、基本理念として「人権の尊重」「最小限度の措置の原則」などが書かれた。

感染症法の前文には次のような言葉がある。「……我が国においては、過去にハンセン病、後天性免疫不全症候群等の感染症の患者等に対するいわれのない差別や偏見が存在したという事実を重く受け止め、これを教訓として今後に生かすことが必要である。このような感染症をめぐる状況の変化や感染症の患者等が置かれてきた状況を踏まえ、感染症の患者等の人権を尊重しつつ、これらの者に対する良質かつ適切な医療の提供を確保し、感染症に迅速かつ適確に対応することが求められている。……」

現在流行している新型コロナウイルス感染症も、この法律に則って対応がなされていることを、忘れずにいたいと思う。

教養講座終了後、LA賛歌を歌った。

<諸報告>

①ポメラニアン大学ウクライナ人留学生への「自由学園奨学金」に対するお礼の手紙の紹介

②アート&クラフト部によるJIYU1123の売上げの寄付についての報告をお礼

③2月11日(土・祝)みんなの日の午後に行う来年度説明会について

④女子部男子部合同の共生学の授業で、LA生がお話をさせていただいていることの報告

⑤来年度の年会費の値上げについての予告

午前の部終了後、体操クラスのLA生の体操を見ながら、全員で座った姿勢で生活体操を行う。

<昼食・自己紹介> 

昼食のメニューは、ごはん、豚肉・大根・里芋の味噌煮、青梗菜・もやし・聖護院大根胡麻酢和え、金時豆の甘煮。「LAの畑で収穫した大根6.1㎏、聖護院大根1.4㎏、長ネギ1㎏

を使いました」と、食糧部スタッフから報告があった。

昼食を食べながら、4月に入学した7期生1名の方の自己紹介(第7回)を伺った。

<午後の集い:「家族ミーティング」>

午後は、A家族からK家族の各家族に分かれてそれぞれミーティングを行った。

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