5月13日(土)「みんなの日」/「みんなの日」の様子 - 一貫教育の【自由学園】/ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

5月13日(土)「みんなの日」/「みんなの日」の様子 - 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上【一貫教育の自由学園】

「みんなの日」の様子

5月13日(土)「みんなの日」

2023年5月25日

5月13日(土)美しい新緑の中、午前9時半より、ひと月に一度リビングアカデミー(以下LA)生全員が顔を合わせる「みんなの日」が、新年度より利用が開始された緑ヶ丘跡地の校舎2階ホールで行われ、120名が集まった。今回の「みんなの日」に向けて、譲り受けたばかりで、まだきれいに整えられていない緑ヶ丘跡地の校舎の清掃と準備のために、延べ100名を超えるLA生が参加してくださったことで、気持ちよく当日を迎えることができた。

はじめに、石川リーダーの司会で礼拝が行われ、讃美歌122番「みどりもふかき」を歌った。  

<「忘れられない人々」2期生・内田俊子さん>

「みんなの日」には、毎回最初にLA生のお一人から「忘れられない人々」をテーマにお話を伺っている。今回は2期生の内田優子さんが高校時代の古文の先生と10年前に亡くなったご主人のことをお話しされた。

小さいころから、庭の葉っぱの上の虫を眺めているようなのんびりした性格であった私は、高校生になってある古文の先生に出会った。その先生は、授業の開始2分前には教室の入り口まで来ておられ、チャイムが鳴ると同時に教室に入られて出席を取られた。授業はいつも念入りに準備をしてプリントを用意して下さった。先生の授業に対する姿勢を通して、「準備の大切さ」を教わった。

私の主人も、その先生同様に準備をよくする生真面目な人であった。山登りが好きで、よく旅行をするときには、早くから準備に取り掛かり、当日の1週間前には準備がほとんど済んでいて、私の用意するもののアドバイスまでしてくれた。

古文の先生と主人に出会うことによって、私のいい加減な性格が少しは改善されたのではないかと思う。

<教養講座「見えてきた素顔の21世紀~私たちの選択肢」西崎 香氏>(要約)

今年度第1回の教養講座は西崎香氏(ジャーナリスト・自由学園最高学部講師)から「見えてきた素顔の21世紀~私たちの選択肢」と題して講演をしていただいた。

1.迎えた「時代の節目」

いま私たちは、ようやく20世紀という一つの大きな時代が終わりを迎えて、次の時代へ移ろうとする分岐・転換点に立っている。現象的には、20世紀から先送りされてきた課題が深刻化し、さまざまな問題が一気に噴出している。その特徴として「さらに混沌化する世界と社会」「今まであまり起きなかった出来事の急増」「日常化する異常」が挙げられる。

2.20世紀とは…

20世紀という時代とは、画期的な技術革新(例えば、石油や電気という新たなエネルギー、電波による通信、自動車や航空機、船舶などの大量輸送手段など)によって、世界的な大量生産・大量消費が定着し、民主主義という政治手法が広がるなかで、グローバル化が一気に進み、世界人口も急増し、地球温暖化が一挙に加速した時代と言える。

3.世界に蒔かれた諸問題の種

その結果、私たちは今、世界中に蒔かれてきた前世紀の「負の遺産」に直面している。それらは、①拡大する紛争やテロ、②潮目が変わった国際地政、③急増する移民と難民、④世界に拡がる格差、⑤経済の不安定化、⑥急ピッチな高齢化、⑦崖っぷちの医療・教育など社会インフラの限界、⑧地球温暖化のインパクトという極めて難しい現象に表れている。

海外ではこうした問題が日常生活を大きく揺さぶっているが、「島国」でもある日本にとっては、状況の深刻さが十分に伝わっておらず、「対岸の火事」のようだ。いつか世界の大波が押し寄せてきて、引き起こされかねない「異常な日常」への備えや危機感が薄い。

4.問題を引き起こしている大きな原因

こうした問題に立ち向かって、良い方向に流れを変えるためには、まず、ぞれらの根っこにある本質をつかみ、治す必要がある。主に3つあり、①行き過ぎた「儲け主義(貪欲さ)」。拝金主義が格差と貧富の拡大、対立の先鋭化、不安定な経済の悪循環などに拍車をかけている。②ガバナンス(統治・政治)の機能低下。これも同様に私利私欲の政治、民主主義の陰り、争いの多発などを招いている。③地球温暖化(異常気象や災害の日常化)。あまねく世界全体を脆弱化させ、本来あった「社会の回復力」も低下させている。厄介なのは、こうした問題が将棋倒しのように互いに作用して、世界の混迷を深めている事態だ。

5.今から何を?

転換期の真っ最中にある私たちは、いずれ始まる新しい時代に向けて、何をしなければならないか。まずは①教育水準の向上:外国も「教育崩壊」が表面化しているが、日本を支えてきた「社会全体の高い学習意欲と教育水準」を頑張って維持、高める必要がある。②社会や組織内の「公平さ」を確保し、だれもが報われる「機会の均等」が失われないように踏ん張ること:現在、多くの国々で特権階級が政治経済を握り、社会に亀裂が走り、不満が膨らんでいる。外国に比べて日本の活力源だった「社会的公平さ」も次第に失われている。

<諸報告・昼食・自己紹介> 

教養講座終了後、LA賛歌を歌って午前の部終了。その後、渡邉恭子先生(選択クラス体操講師)のご指導で、その場で出来る生活体操で体をほぐした。

その後、①創立100周年募金塙健司委員長から募金へのお礼、②アフタースクール軽食づくり募集についての報告があった。

昼食は、ホール内で手作りのお弁当をいただく。メニューは、キャンパス内で獲れた筍を使った筍ご飯、鶏肉の香味焼き、ほうれん草と小松菜のおひたし、金時豆の甘煮。食糧部スタッフから食事作りの報告があった。おひたしのほうれん草4㎏と小松菜4㎏はLA「土の会」で育てたものを使った。

昼食をいただきながら、4月に入学した8期生6名の方の自己紹介(第1回)を伺う。その後、緑ヶ丘跡地2Fホール視察に訪れた高橋和也学園長から、清掃や準備をして下さったLA生への感謝が述べられた。また今年度の家族長会のメンバーと2名の家族長会リーダーの紹介があった。

<8期生対象・キャンパスツアー>

昼休み時間を利用して、8期生が4グループに分かれて、LAスタッフの案内で校内のキャンパスツアーを行った。直前まで強い雨が降っていたが、小降りになったところを見計らってスタートし、校内を1周している間は強い雨にはならずにツアーを終えることができた。

<午後の集い:家族ごとのミーティング>

午後は13時45分ごろより先月に引き続いて11の家族に分かれてミーティングの時間をとった。家族の目的の「交わりを深める」ためにできることなどをそれぞれ考え、具体的な計画を立てられた家族もあった。15時半までに散会した。

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