2月12日(月・祝)「みんなの日」/「みんなの日」の様子 - 一貫教育の【自由学園】/ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

2月12日(月・祝)「みんなの日」/「みんなの日」の様子 - 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上【一貫教育の自由学園】

「みんなの日」の様子

2月12日(月・祝)「みんなの日」

2024年2月28日

2月12日(月・祝)は、久しぶりに記念講堂で2月の「みんなの日」が行われ、LA生118名(うちZoom参加2名)が参加した。

はじめに、石川リーダーの司会で礼拝が行われ、讃美歌298番「やすかれ、わが心よ」を賛美した。  

<「忘れられない人々」3期生・千葉千恵子さん>

「みんなの日」恒例の「忘れられない人々」は、3期生の千葉千恵子さんが20代に研修先の障害者施設で出会った障害のある人たちのことをお話しされた。

私は、20代に職場の同僚と研修で栃木県足利市のこころみ学園を訪ねた。1日目は創始者・川田昇さんからもお話を伺った。2日目は障害を持つ人たち20名と一緒に山の上からシイタケの原木を降ろす作業をした。私はさっさと登っては原木をもってさっさと降ろす作業をしていたが6~7往復もすると嫌になってしまった。それに対して、障害のある人たちは、ゆっくり登って、またゆっくり降りるを繰り返して、決してやめようとしなかった。彼らが持っている持続力に脱帽した。その時、金子みすずの言葉「みんなちがって、みんないい」が腑に落ちた。困難なことも抱えているが、出来ることもある。その時の経験が、私のその後の障害者教育の礎になっている。

<教養講座『秋岡芳夫の暮らしのデザイン~ハンドショッピングのすすめ~』菅村大全さん>要約

今年度8回目の教養講座は、菅原大全さん(モノ・モノ主宰)に『秋岡芳夫の暮らしのデザイン~ハンドショッピングのすすめ:身体にあわせた器と家具の選び方~』と題して、お話を伺った。

1.秋岡芳夫の目指したこと

敗戦後、家具や玩具のデザイン、建築設計、童画家などの経験ののち、3人共同で工業デザインの会社として草分け的存在となるKAKを設立。70年代になり、画一化し行き過ぎた工業化社会への危機感から”消費者“から”愛用者”になることなどを提唱。使い捨て・消費のためのデザインではなく、生活者のためのデザインを考えた。そして物を買う時に、目で見るだけでなく、手で触って、身体で感じてから買うことを奨励した。中野区のマンションの一室にデザイナーたちの拠点「モノ・モノサロン」を開設して、生活デザインを考える様々な人たちが集った。単なるものづくりの人ではなく、ものがたりの人であって、コピーライティングの名人であり、工作人間(人類とは道具を考えて作れる存在)、暮らしのデザイン、めいめい暮らし(多様な身体、好みを持つ人たちの多様な暮らし方)、触覚民族、裏作工芸、建売率70%(建売住宅比率は70%まで、一軒の家を建てるとき30%は手作りで)などの言葉を残している。

2.身体尺度(ヒューマンスケール)

日本古来より人間の身体を基準とした寸法体系があった。「尋(ひろ)」は両手左右へ広げた時の、指先から指先までの長さ、「杖(つえ)」は身体の高さ、「咫(あた)」は掌の付け根から中指までの先端までの長さ、「束(つか)」は親指を折って握ったときの四本指幅、「寸(き)」は指幅を表す。また尺貫法では「寸(すん)」は親指の先端から第一関節までの長さや人差し指を折り曲げた際の中節骨の寸法で3.03㎝、1寸の10倍が「尺(しゃく)」で親指と人差し指を広げたときの両指先間の長さ30.3㎝で、前腕の骨に尺骨がおおよそ1尺程度の長さからこの名前が付けられた。そしてこの身体尺度を用いて人が使う道具を作るようになった。

夫婦椀は持ちやすさから、男ものは4寸、女ものは3.8寸、箸の長さは一咫を1.5倍にした長さを理想とした。また3寸・4寸・5寸の器がちょうど収まるように膳や盆の幅は1尺2寸に作られた。そして1尺2寸のお膳を持った、身の幅が1尺5寸の仲居さんがすれ違えるように、廊下幅を3尺とした。

3.椅子と机の理想の高さ

器と同じように家具も身体尺度で選ぼうというのが秋岡さんの提案であった。食卓を考えてみると、お皿の上の肉をナイフで切ったり、食卓上のスープをスプーンですくって食べる料食には高めが合っているが、器を持ち上げて食べたり、鍋をのぞき込んで食べる和食には低めが合っている。1970年代は団地が急増。庶民がはじめて椅子に座ってご飯を食べるようになったが団地の食堂は狭い。そして昔のテーブル、椅子はいまより高さがあった。そこで、椅子の脚を自分の身体に合わせて自分の足が床にしっかり着くように、鋸を使って切ることを勧めた。椅子は女物を基準として座面高は36〜38cm(1尺2寸)が理想で、座面の奥行が長めのものを選ぶのがポイント。

洋食(欧米人)の場合には、テーブルの高さが72~75㎝、椅子の座面の高さが42~45㎝がよい。一方和食(日本人)の場合には、テーブルの高さが61~63㎝、椅子の座面の高さが36~38㎝がよい。椅子は性別・個別に合わせて高さを決められるが、テーブルの高さは揃える必要がある。

女性サイズに統一すれば不都合は少ない。低は高を兼ねるという発想で61㎝が手ごろなサイズである。

庶民が椅子とテーブルで食事するようになって、たかだか50年。身の丈には合わない西欧から入ってきた家具をそのまま我慢して使っていることがまだ多く見られる。家具は咀嚼の途中にある。生活者自身が暮らしのデザイナーとなって、それぞれが愛着を持つことのできる家具選びをしていってほしい。

教養講座終了後、LA賛歌を皆で歌った。

<諸報告>

  • 次年度リビングアカデミー継続手続きについて
  • 能登半島地震義捐金(1月)の報告
  • 6月22日開催の池上彰氏講演会のチケットの販売について
  • 来年度の家族長会の在り方について

体操クラスの渡辺恭子先生のご指導の下で体操を行い、身体をほぐした。

<昼食・自己紹介> 

昼食は、休日で学内での調理ができないためお弁当を購入していただいた。

家族長会から3月の修業式の後に予定されている感謝会の出欠席の回収についての報告があった。

<2024年度説明会>

午後1時15分からは、2024年度リビングアカデミーの説明会が引き続き記念講堂で行われ、LA生に加えて、希望者24名が出席した。

会場室内の周囲には、各選択クラスや自主活動を紹介するパネルを展示した。

1)石川リーダーから、ご挨拶に続いて、自由学園とLAについての説明。

2)選択クラスから、野草、ノールビンドニング、俳句を楽しむ会、木工ろくろ、体を知る・動かす・作る、イタリアンについて、受講しているLA生による報告。

3)新しく始まる選択クラスのレザークラフト、北欧の手仕事を担当する先生からクラスの内容の紹介。

4)B家族とF家族から家族の活動についての報告。

5)はたらき隊から、読み聞かせの報告。

6)家族長会からLA祭の報告

7)質疑応答

15時過ぎに終了した。

カテゴリー

月別アーカイブ