TOKYO854くるめラ「ギュッと防災講座」3月17日(木)/安全への取り組み お知らせ・活動報告 - 一貫教育の【自由学園】/ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

TOKYO854くるめラ「ギュッと防災講座」3月17日(木)/安全への取り組み お知らせ・活動報告 - 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上【一貫教育の自由学園】

安全への取り組み お知らせ・活動報告

TOKYO854くるめラ「ギュッと防災講座」3月17日(木)

2022年3月18日

今回は、地域の「共助」の実情に目を向けるということでお話をした。皆さまは、「共助」という言葉からどういったことをイメージするだろうか。一般的には、大きな災害が発生してしまうと行政も被災することから、「公助」が機能不全に陥ってしまうということが指摘されている。確かに、多くの被災地の実際からは、その指摘は正しいのだろうと思われる。そして、その機能不全を補う次善の策として、地域住民の皆さんによる支え合い、いわゆる「共助」を行って下さいというのが基本的なメッセージとなっている。ただ私自身、自分が居住する地域の自主防災組織や避難所運営連絡会へ参加する中で、「共助」が本当に期待通りに動くのだろうかという危惧を感じ続けてきた。

私は、その地域の「共助」を見積もる際、まずは、次の三つのデータを基に推察するようにしている。その一つ目が、1992年に発表された、災害発生時における帰宅困難者の発生確率に関する調査結果で、そこで東久留米市は35%以上という数値が示されている。そして二つ目が、昼夜間人口比率(夜間人口を100とした場合の昼間人口の割合)で、2020年の推計値では東久留米市は79.8となっており、 更に三つ目が高齢化率と言って、東久留米市の総人口に対する65歳以上人口の占める割合を示しており、2021年には東久留米市で26.7%となっている(因みに高齢化率が21%を超えると「超高齢社会」といわれる)。

これらを踏まえると東久留米市は、日中の人口が夜間の8割程度になり、その人口における65歳以上の占める割合が高くなっている可能性があり、加えて一度大きな災害が発生すれば、帰宅困難となってしまう居住者が35%以上にもなる地域であるということができる。よって、特に平日に大きな災害が発生し、地域での「共助」が必要になった場合に、こうした人口構成の地域で私たちが期待する「共助」は、どれくらいの稼働状況が期待できるのだろうかというのが私の問題意識である。

ここで最初にも述べましたように、「共助」から何をイメージするか(期待する)ということが問題となってくる。例えば、兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)の時のように、倒壊家屋の下敷きなった人々の救出活動のようなことは、東久留米市またはお住まいの地域で可能だろうか。仮に、もし難しいのであればその地域の「自助」は、「生きて自宅の外へ自力で出てくる」「備蓄品を必ず取り出せる場所へ置く」ということが出発点になってくる。

他にも、「共助」の周辺には様々な課題を見ることができる。例えばその建付けが、自治会や自主防災組織と言ったいわゆる地縁組織を中心に考えられているという点である。そこへは、自治会に加入していない世帯や集合住宅にお住いの世帯が関わり難いというのが実情で(集合住宅にお住いの世帯が半数を超える地域も多くある)、東久留米市の自治会加入率が、2016年のデータで37.2%となっていることから、この世帯が残りの62.8%を支えるという構図も見えくる。また、そもそも「共助」活動が、ある程度の組織力(定例会や訓練など)を前提としていることも見逃せない。

いよいよ、次回の放送が最終回となる。こうした「共助」の課題を乗り越えるために、「近助」「縁助」という新しい考え方をご紹介しながら、「自助」から「共助」までの地域防災力強化を見通してみたいと思っている。

危機管理本部 蓑田圭二

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