7月28日(木)、自主研究「RO農法への挑戦」グループの学生1名と教師2名で、千葉県匝瑳市のソーラーシェアリングをしている畑で不耕起栽培をしている大豆圃場で夏の草刈りを体験した。
<不耕起栽培>
不耕起栽培は畑を耕さずに作物を育てる栽培方法のことで、①土をかき乱さない、②土を覆う、③多様性を高める ことを大切にする。不耕起栽培を行うことによって、土壌中の菌根菌と呼ばれる菌類などの微生物と作物の間の深い結びつきが保たれ、多様な微生物が作物の成長に必要な働きをしてくれる。
不耕起栽培では草を抜かないため、夏場では草刈りを行う。作物のまわりの草が作物の丈を越さないように管理をしなければならない。
<ソーラーシェアリング>
今回草刈りを行った圃場はソーラーシェアリングの畑であった。ソーラーシェアリングとは、農地の上に太陽光パネルを設置し、農業と太陽光発電の両方を行う仕組みのことで、一つの土地での収益性を上げることができる。もし国内の農地の10%に営農型太陽光発電装置が設置されたら、原子力発電(1基分:70億kwh/年として)41基分に相当する発電を行えることが試算されている。
スイカ・茄子・トウモロコシ・サツマイモなど日陰では育たない作物の場合は遮光率を30%以下に抑える一方で、日陰でも育つマッシュルームやシイタケやキノコ類の場合には遮光率を60~95%にすることも可能となる。比較的弱光でも育つ大豆の場合の遮光率は35~50%にする必要があり、匝瑳市の圃場の太陽光パネルの幅も狭いものが使われていた。

<大豆畑の草刈り>
大豆は幅30センチの間隔の列に植えられていて、その列と列の間を有機栽培用に開発された特殊カバーを装着して作物を傷つけずに草を刈ることができる草刈り機を使って、草刈り体験をした。不耕起栽培では作物のまわりの草が難敵で、これをすべて鎌や刈り込みはさみで刈るとなると、膨大な時間が必要となるので、新しく開発された草刈り機は大変役に立つことがわかった。
現在、那須農場で行っている和綿栽培の畑(全部で2アール)の草刈りにも、さっそく利用することを考えたいと思う。



文・写真:鈴木康平(環境文化創造センター次長・最高学部特任教授)