環境文化創造センターでは、『安価な市販「塩分計」の感潮河川・汽水域調査への活用に関する簡易的検討』と題し、2025年2月のあらかわ学会年次大会2024と、3月の公開シンポジウム霞ヶ浦流域研究2025のに二つの研究集会で発表しました。
本研究は、個人・学校・市民活動を想定し、河川の河口域に潮汐の影響で形成される淡水と塩水が混じり合った「汽水域」において水質等の環境調査を実施する際、同時に河川水中の塩分濃度が把握できていることの優位性を示しつつ、測定に有効な電気伝導率計は一般的に高価であることから、食品用の安価な塩分計が活用できないか実験的に検討することを目的としたものです。
1)2月13日「あらかわ学会年次大会2024」
2月9日(日)にNPO法人あらかわ学会主催の「あらかわ学会年次大会2024」が、足立区・綾瀬の勤労福祉会館を会場に開催されました。
今回は最高学部教員の吉川が口頭発表しました。また講演用論文が講演論文集に掲載されました。

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2)公開シンポジウム霞ヶ浦流域研究2025
3月2日(日)に茨城県鹿行生涯学習センター(レイクエコー)を会場に開催された茨城大学地球・地域環境共創機構水圏環境フィールドステーション主催の「公開シンポジウム霞ヶ浦流域研究2025」で、研究グループを代表して学部教員の吉川がポスター発表しました。
先のあらかわ学会での発表をベースに、公共用水域水質測定結果を用いて茨城県内の河川の塩分濃度の実態の可視化、更に国内有数の汽水域として知られる那珂川水系の涸沼で行った実測結果も加えて報告しました。

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本研究のきっかの一つは、2000年に男子部中等科3年生が荒川下流の河川水の塩分濃度を食品用の塩分計で測定したという報告です。(矢野淳子:男子部中等科3 年「川をはかる」,自由学園年報 第5 号,2001)今回は事例として当時のデータを、地図上に可視化することも試みました。

今後も様々な機会を通じて「市民科学」への貢献を想定した提案(発表)と、流域圏での様々な交流が図れればと思います。
文・写真:吉川 慎平(最高学部教員・環境文化創造センター長)・写真:小田幸子(最高学部教員・環境文化創造センター次長)