11月に始まりあと3日となったピッコラーレのクラウドファンディング「『誰にも頼れない』妊娠をなくしたい」が、先ほど1000万円の目標額に到達しました。おめでとうございます。
性被害、性加害、無知によるトラブル等が社会に蔓延しながら日本では正しい性教育が行われていません。命を守る現場でピッコラーレが妊娠葛藤相談窓口「にんしんSOS東京」を立ち上げたのは2015年。以来これまで8年間、1日も休むことなく相談を受け、対応にあたってこられています。
最近ようやく日本の性教育の遅れが指摘されるようになりましたが、自由学園では助産師でピッコラーレ理事の土屋麻由美さんにご協力いただき2018年から全学的に包括的性教育「いのちと生の学び」を推進しています。
また昨年は高等科の生徒がピッコラーレを訪問し、中高全生徒を対象とする講演会を企画しました。この生徒は企画への思いを次のように述べています。
「様々な要因から妊娠を誰にも相談できずに孤独な中で困っている女性が少なくないことを知った。赤ちゃんや女性の命が失われる場合もあるこの現状。皆で理解を深めたいと思った。
もしかすると私たちの中にも、将来妊娠をした時、またパートナーが妊娠をした時に、こまったり、悩んだりする人がいないとは言い切れない。
その時に、相手の立場にたって一緒に考えたり、助け合えるような仲間であり、社会であるようにしていきたい。」
この日の講演、土屋さんのメッセージの中心は、
「自分の体を守れるのは自分自身」
「正しい知識と思いやりが大切」
「命を大切に、相手を大切に」
「困った時に駆け込める場所を知ること」
「思いやりは平和な世界をつくる」というものでした。
土屋さんのお話の後、生徒たちから以下のような多くの質問がありました。
「妊娠したら学校はどうなるの?」
「出産前にできる親になる訓練がありますか?」
「生理が重い。痛み止めは飲んでいい?」
「パートナーの生理。男性にできることは?」
「パートナーの妊娠。男性はどうすれば?」
「日本の性教育はなぜ遅れてる?」
「中絶はどれくらいお金がかかりますか?」
「性病になったときも相談できますか?」
「コンドームの避妊率はどれくらい?」
「ピルって体にどうでしょう?」等々。
全校生徒の前でこんなに率直な質問ができる生徒たちに感心しましたが、土屋さんに対する安心感と信頼があってのことでした。
言い換えれば信頼できる大人がいれば中高生は性について聞いてみたいことがたくさんあるということです。
1日も早く日本の性教育が国際標準に並ぶものとなることを願います。
高橋和也Facebook 2023年12月19日