2022年11月に開始された男子部体育館の改修工事が終わり、男子部・女子部(中・高等科)の新しい共生共学の学びの場が完成しました。「これからの学びの場」について考えてきた生徒たちの提案も活かされています。東京都選定歴史的建造物である外観はそのままに、室内が生まれ変わりました。
2023年3月3日(金)・4日(土)開催の男子部・女子部の「学びの共有会」で初公開し、4日(土)には、来場者を対象にオープニング・イベントを行いました。
※「学びの共有会」の詳細は特設サイトをご覧ください。→ https://mana-colle.studio.site/
■生まれ変わった男子部体育館内部 「学びの共有会」の際に撮影
階段状になったところを上がると中央の壁を境に2教室があり、電子黒板も備えられ、カーテンで仕切ることもできるようになっています。一斉授業もできますが、個人やグループでの学び・自主活動など、さまざまな学びのスタイルに応じられるようにと考えられています。階段状の部分にも座ることが出来ますし、机や椅子も学びの状況に応じて、フレキシブルに動かしながら利用する予定です。 右手奥にはロッカーがあります。
左側には書棚とカフェコーナーがあり、その奥には車いすで上がれるスロープやユニバーサルデザインのトイレも設けられました。 これから生徒たちが、この空間をどのように活用していくのか楽しみです。より自主的なよい学びができるようにと願っています。
■学園の木を活かした手作りのロッカーの扉
ロッカーの扉は生徒をはじめ、ワークショップに参加した方々等による手作りです。 使用した材木は学園で樹木整備等で伐採した木や、植林地で生徒たちが育てた木を製材したものです。
■カフェコーナー
小さなキッチンスペースがあり、水を飲んだり、お湯を沸かすこともできます。長時間かけて学ぶときや授業の合間にほっと一息つけるように設けられました。
「学びの共有会」の折には、生徒が企画した、環境にやさしい手作りの大豆ミートのドライカレーとコーヒー等が提供されていました。また、コーヒー豆の入っていた麻袋を活用し、男子部生がバッグやコースターなどをミシンで縫って制作していました。
オープニング・イベント
「学びの空間をデザインする。誰もが自分らしく学べる空間とは?」
3月4日(土)には、「学びの共有会」の中で上記タイトルのオープニング・イベントが開かれ、保護者や一般の来場者の方々が参加されました。
オープニング・イベントの様子。写真は、専門家の方々に学びつつ「これからの学びの場」について考案し提案をしてきた生徒グループ代表の男子部生徒が、画像等をお見せしながら報告をしているところ。
学びの場について考え提案してきた生徒の代表と卒業生がお話した後、生徒とも相談を重ねて下さった建築家の堀場弘様(シーラカンスK&H代表取締役・東京都市大学教授)が、新しく生まれ変わった男子部体育館の設計が決まるまでのことや、この設計の特徴などをお話しくださいました。
その後シンポジウムも開かれ、同じく設計を検討するにあたって生徒たちが大変お世話になった垣野義典様(東京理科大学理工学部建築学科教授)、堀場様、学園教師、生徒代表、卒業生等関係者6名によるお話もありました。来場者の方のご感想も伺うことが出来ました。
感謝
最後になりましたが、この改修工事は、創立100周年記念募金にご寄付下さった皆様のご支援・ご協力なくしては実現できませんでした。学園関係者一同、心より御礼申し上げます。完成に至るまでにご協力くださった全ての方々に感謝しつつ、この新しい学びの場を、生徒と共に大事に活用してまいります。
なお、改修工事完成に関する詳しいご報告は、「学園新聞」等で今後お伝えしていく予定です。
自由学園では、今後も2024年度からの女子部・男子部の共生共学に向けての改修工事が予定されています。皆様にはこれからも変わらぬご支援・ご協力を賜りたく、どうぞよろしくお願い申し上げます。
男子部体育館外観(東京都選定歴史的建造物)
遠藤新設計 1936年築
■改装前の体育館内部の様子は、下の記事でご覧ください。
「男子部体育館」の改修工事始まる 外観はそのままに 探求的な学びを進めるための空間へ
https://www.jiyu.ac.jp/blog/info/82446