デンマーク研修報告2/国際センター お知らせ・近況 - 一貫教育の【自由学園】/ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

デンマーク研修報告2/国際センター お知らせ・近況 - 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上【一貫教育の自由学園】

国際センター お知らせ・近況

デンマーク研修報告2

2025年8月24日

8月18日(月)

朝8時からオレロップの朝の集会に参加した。テーマは国際理解で、先生が海外での経験から自己の価値観が広がったことを話してくださった。その後、オレロップで撮影されたデンマーク映画「僕の家族と祖国の戦争」を一緒に観た。

この映画はオレロップのあるフュン島にある別のフォルケホイスコーレで起きた史実に基づく映画で、今年戦後80年としてデンマークでの世界大戦がどのようであったか知ることができた。

午後は1時からオレロップの国際交流担当のクリスティアーネからフォルケホイスコーレの歴史とオレロップ体育アカデミーの歴史についての話を聞いた。フォルケホイスコーレが民主主義を守るための市民教育として果たしている役割について教えていただいた。

その後、オレロップの生徒のIntercultual Studiesの授業に参加させていただいた。国際理解を目的とするこの授業では、一つの物語を聞いた上でその物語の内容についてお互いに考えを交換した。「答えのない問題」についてどう考えるかをグループに分かれて話したことで視野を広げることができた。

8月19日(火)

午前中はオレロップ体育アカデミーに隣接する幼稚園を訪問した。

オレロップ幼稚園は、0〜3歳児、3〜6歳児が40人ほど通っている。オレロップ体育アカデミーの施設を利用して、水泳トランポリンなどをすること、広い園庭で自由に遊ぶこと、子どもの食をサポートする姿勢などユニークな教育から、生徒たちは多くの気づきを得たようだった。

その後、Singing and Storytellingの授業に参加した。この授業はフォルケホイスコーレで使っている歌集から英語、デンマーク語の歌詞の意味を先生が説明し、その後一緒に歌うという授業であった。フォルケホイスコーレでは、朝の集会だけでなく、歌を歌う機会が多くある。歌詞の内容を考え、人と声を合わせ、リズムをそろえて歌うことは、フォルケホイスコーレが大切にしている対話につながる。1894年に最初の唱歌集ができ、その後15年毎に内容が改定されており、スティングなどの歌も入っていた。

午後はヨガの授業に参加した。五感を使って「今」にフォーカスする授業で、忙しく考えることから解放される体験を通し、リセットされたようであった。

8月20日(水)

9時からリズミカルジムナスティックの授業に参加した。授業は現在のデンマーク体操で生徒たちには「ダンス」という印象が強かったようだ。

10時からはオレロップのケアホームへ訪問した。ケアホームは入居者約40名で、58歳から101歳の方が生活されている施設であった。施設内を案内していただいた後、リビングルームで入居者と折り紙を通して交流をした。言葉が通じ合わなくても、折り方を教えたり、非言語コミュニケーションの大切さを感じたようだった。

午後は、オレロップアカデミーの横に残っている防空壕の見学と説明を伺った。防空壕保存会のAageさんから、第2次世界大戦の1943―1945にオレロップの3つの学校(教員養成大学・体育アカデミー・職業学校)がドイツ軍に接収され、800名のドイツ軍兵士が滞在していた。その兵士がイギリス軍からの空爆を避けるために防空壕が掘られたと説明があった。(防空壕https://ollerupbunkeren.dk/?id=42)

ドイツ軍に対してレジスタンス運動が盛んに行われていたことなど教えていただいた。月曜日に観た映画と同様、オレロップにもドイツ難民が滞在していたことや、実存の防空壕に入ったことで、第2次世界大戦がどこか遠い昔のことではなく、今自分たちがいる場所で実際にあったことだと実感したようであった。

デンマークは5月4日がドイツからの解放記念日で、毎年防空壕でも式典が行なわれている。

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