2021すいせん図書 第1回 /図書館 お知らせ・近況 - 一貫教育の【自由学園】/ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

2021すいせん図書 第1回 /図書館 お知らせ・近況 - 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上【一貫教育の自由学園】

図書館 お知らせ・近況

2021すいせん図書 第1回 

2021年7月19日

男子部、女子部の生徒の皆さんへ 

自由学園図書館から、今年もホームページに「すいせん図書」を掲載します。各部の先生方、学部の図書・資料グループの推薦図書のほか、今年は図書館から、レファレンスブックの紹介も企画しています。
毎週更新しますので、夏休みの読書、調べ物のご参考にどうぞ。
掲載した図書は、ほとんど自由学園図書館に所蔵しています。緊急事態宣言が発令されていますが、安全に気を配って、学園や近隣の図書館に足を運んでください。

【すいせん図書 2021-1】
キリスト教 G先生から
8月15日のみならず、いつにも増して「平和に思いをはせる夏」です。以下の4冊をご紹介します。
「あのころはフリードリヒがいた」  ハンス・ペーター・リヒター著  上田真而子訳 岩波少年文庫
2018年2019年の2年続けて「すいせん図書」に登場していますが、今夏も推薦します。ナチス政権下、ユダヤ人を迫害する側に巻き込まれ友達を見捨てざるを得なかった少年時代の体験を基に書かれた一冊。誠実に過去の自分に向き合い、迫害され死に追いやられた人々の命も生き抜こうとする渾身の作品は、戦争によって失われるのは命だけでなく「自分自身」ということにも気づかせます。ストーリーは読んでのお楽しみ。著者が続けて書いた「ぼくたちもそこにいた」「若い兵士のとき」も一緒にどうぞ。

「クワイ河収容所」    アーネスト・ゴードン著  斎藤和明訳  ちくま学芸文庫
第二次世界大戦中に日本軍によって進められたタイメン鉄道建設(タイとミャンマーを結ぶ鉄道)は、過酷な労働のため沢山の死者を出しました。捕虜として工事に関わった英国人達の姿を描く本書は、人間の尊厳を考えさせます。この工事記録については、「クワイ河に虹をかけた男―元陸軍通訳永瀬隆の戦後(教科書に書かれなかった戦争)」にも書かれています。併せて読むといいでしょう。いつか、タイ・カンチャナブリのクエー・ノイ川にかかる鉄橋へ、そこに建てられた資料館にも行って見ませんか。

「それでも、日本人は『戦争を選んだ』」  加藤陽子著  新潮文庫
日本の近現代史をしっかり伝えてくれる本書は、中高生向けに沢山の資料に基づいてなされた講義です。戦争が内包する矛盾と犠牲を、多くの人々が気づいていたのに抑止できなかった、この日本の経験を過去化せず私達の経験にしていく現代化を願います。一度読んだだけでは理解できない部分もありますが、たっぷり時間のある夏休みに取り組んでみてはいかがでしょうか。

 

「この世界の片隅に」上・中・下 こうの史代著・蒔田陽平著  双葉社ノベライズ
  コミック誌に掲載された本書は2016年に映画化され、2018年にはTBSがドラマ化させて日曜劇場で放映しました。ご存じの方は多い作品でしょう。知っている方もページをめくり、ゆっくり味わってみませんか。爆撃を受け被爆した主人公は、芝生に生え出るネジバナのように素朴にしなやかに生きていきます。私達の人生は思いがけない事件や時代の波など実に多くの影響を受けますが、主人公の姿から自分を大切に自分らしく生きるヒントが感じ取れるように思います。お楽しみください。
※この本は公共図書館でご覧ください。

学部生から
「これからの男の子たちへ」 太田啓子著 大月書店
現代が抱えるジェンダーに関する問題解決を、次世代の男性の育て方に見出した弁護士が書いた本です。日常のジェンダーバイアスや性教育、メディアが与える影響など、様々な視点から男の子の子育てを考えます。強い主張が書かれているというよりは、問題整理が真っ当な形で行われている、という印象を受けます。「男の子たちへ」というタイトルですが、性差別はすべての人間に関わる問題だと言って過言ではないと思いますので、性別に関係なく女性の皆さんも読んでいただきたい本です。

「みんな大好き!クッキー」  中村佳瑞子著 主婦の友社
クッキーのレシピ本の中では一番簡単。美味しく出来ます!夏にクッキー?となる人もたまには焼いてみてください。美味しいですよ~

 

 

「パリのキッチンで四角いバゲットを焼きながら」 中島たい子著  ポプラ社
パリ郊外で叔母ロズリーヌが教えてくれる、フランス流・毎日を楽しむ「風通しのいい」暮らし方が載っています。なんだかハッピーになれる本です。

 

 

【レファレンスブック紹介】
レファレンスブックとは、参考図書=調べ物をするための本です。参考図書棚には百科事典や国語の辞書のほかに、さまざまな分野の調べ物に役立つ本があります。その中でちょっとおもしろい事典・図鑑を紹介していきます。今回は日本史です。


日本史で、明治以前の情報が1番多いのは、『国史大辞典』 吉川弘文館。自由学園にあるものは索引を入れて15巻、これをパラパラ読めると日本史も楽しいにちがいない。
これでは難しいぞ、と思う人にオススメなのは『日本歴史館』 小学館 1993年版 少し古いが、写真や絵がたくさんのっていてとてもわかりやすい。これなら中学生も読めるのではないかな?
これでもちょっと難しい!と思う人は『ポプラディア情報館 日本の歴史』全5巻 ポプラ社2009年版。全体の流れをつかみやすい。
私の好きな“江戸時代”のおすすめは、『江戸時代館 2版』小学館2013年版。江戸の町火消しや奉行所のしくみから、流行のファッションや食べもの。当時のリサイクルのしくみまで細かくのっているすぐれもの。
最後にお薦めするのは『すぐに使える日本なんでも年表』岩崎書店2005年。
普段私たちが見ている年表のほかに、『和菓子』『郵便』『松平定信』等、個別の年表まであって使える。
ほかにもいろいろな歴史辞書があるので、涼しい図書館にいったときには、ぜひ辞書コーナーの分類番号210をながめてみてください。(図書館 F先生)

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