2022 夏 すいせん図書 【4】 /図書館 お知らせ・近況 - 一貫教育の【自由学園】/ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

2022 夏 すいせん図書 【4】 /図書館 お知らせ・近況 - 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上【一貫教育の自由学園】

図書館 お知らせ・近況

2022 夏 すいせん図書 【4】 

2022年7月25日

学園では女子部・男子部に続き、最高学部も1学期が終わりました。地方に帰った方たちも、近郊に住んでいる人も、良い夏休みになりますように。
今週から学部生、高等科生からの推薦図書も掲載します。
「2022 夏 すいせん図書【3】」 は こちら。

【すいせん図書 2022.7.25】

国語科 K先生から (その1)
『みえない雲』グードルン・パウゼヴァング著 小学生文庫
映画にもなったこの小説を、特に高校生のみんなにすすめたい。ドイツでは、多くの学校で読んでいる本だそうだ。原発事故が描かれているフィクションである。初めてこの本を読んだ時、同時に映画も観てみた。夏、見えない放射能から逃げる姉弟。草原が、街並みが美しい。放射能に音はない。匂いもない。美しい景色が、かえっておそろしい。結末が、本と映画では異なる。君はどちらの結末が好きかな?
日本では絶版だけれど、きっと公共図書館には入っているから探してみてほしい。もちろん、学園の図書館にはあるから、2学期に読んでみるのもおすすめですよ。

考えてみる本たち
この3冊は、本なんて・・・と思っている人におすすめ。そして、自分の見えている世界がなんだか小さいなあと思う人、「考える」ってどうすればいいのかわからないと思う人にもおすすめ。

『サム・ロイドの「考える」パズル』伴田 良輔 箸 青山出版社 
これはどこから読み始めても(どこから解き始めても)いい本だ。ただただ、うんうん唸って悩んでみる経験を夏休みにするっておもしろいじゃあないか。これが面白いと思う人は『数の悪魔』にも手を伸ばしてみてほしい。
『考える練習をしよう』マリリン バーンズ 著 晶文社 これは、小学生から大人まで楽しめる本だ。少し読み進めたら、外に出て実践するんだ。スマホはいらない。
『おおきく考えよう』ペーテル エクベリ 箸 晶文社 イラストに惹かれて読み始めてみるのはいかがかな。自分が見ている世界は本当なのかな、と疑い始めたらこの本を開くといい。時間割から解放される休みにこそ、日頃の自分と身の回りを見つめてみよう。

『物語のあるところ』吉田篤弘箸 ちくまプリマ―新書
作家の頭の中で起きていることを、物語形式でたどる本だ。
ちょっと長めの文章を書いてみたい人は、読んでみて。小説の存在の仕方がわかれば、読み方のヒントにもなる。ちなみに、ちくまプリマ―新書の装丁はこの本の著者と奥さんが2人で全巻担当している。こんな感じのイラストが好きだなあと思ったら、ぜひ吉田篤弘が書いた本も読んでみるといい。

 


『ヨーロッパ退屈日記』伊丹十三箸 新潮文庫
ヨーロッパにあこがれている?それでは、ひとまずこの本をどうぞ。
ただのエッセイとあなどるなかれ。著者の職業は、映画監督からCMクリエイター、作家・・・と多岐にわたる。エッセイには縁がないわ、と思っている人も、この夏はこの本を小脇に抱えて旅に出よう。行く先は、近所の喫茶店だっていいのだ。

 

『塩狩峠』 三浦綾子箸 新潮文庫
私が初めてこの本を読んだのは、ある夏だった。結末はわかっていた。ただ、読み終わるまで、本文の前に書かれている「一粒の麦、もし死なずば、ただ一つにて在らん」の意味はよくわかっていなかった。今は、これが聖書からとられていることはわかる。だが、本当にこの言葉の意味を語れるかと聞かれたら、まだ自信がない。実話が元になっている小説である。
もし、この夏にこの本を読んだら、数年後また読み返すことになる一冊だ。

 

男子部図書の係 Yさん
『今日も言い訳しながら生きています』ハ・ワン文 ダイヤモンド社
日頃、自分自身も他人と評価の点で比べ、他人を基準点として自らを構成しようとする。だがこの本では他人と比べた時に、自分がその他人より劣っていた場合にどう励ますか、ではなく根本的にまずその比べる必要性などに疑問点を持ち、屁理屈ではあるかもしれないが、言い訳をして読者に他人との劣等感を無くさせる本だ。

 

最高学部図書グループ Yさん

『同志少女よ、敵を撃て』逢坂 冬馬箸 早川書房
最近、ロシアによるウクライナ侵攻が問題となっています。第二次世界大戦時、ソ連と呼ばれていたロシアでは、何が起きていたのでしょうか。
モスクワに住む17歳の少女セラフィマは、母を殺したドイツ人兵士に復讐するため、ソ連軍の狙撃兵となることを決意します。彼女の敵とは一体…?



『戦争は女の顔をしていない』スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ箸 岩波書店
 同じく、第二次世界大戦時のソ連について書かれた作品。物語ではなく、実際に従軍した“女性兵士たち”の証言集です。漫画化もされて一時期話題になりましたが、今読むことで得られるものがあるはずです。この機会に読んでみては?

 

『きみの友だち』重松 清箸 新潮社 
最近人間関係で悩んでいる人、友達づきあいに疲れてしまった人、これを読めばちょっと考えが変わるかも?「友達ってたくさんいた方がいいの?」「“みんな”ってそんなに大事?」そんな疑問にきっと答えてくれる1冊。

 

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