2022 夏 すいせん図書 【6】 /図書館 お知らせ・近況 - 一貫教育の【自由学園】/ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

2022 夏 すいせん図書 【6】 /図書館 お知らせ・近況 - 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上【一貫教育の自由学園】

図書館 お知らせ・近況

2022 夏 すいせん図書 【6】 

2022年8月8日

「熱中症警戒アラート」という言葉を、日常的に耳にするようになるとは思いませんでした。室内で液晶画面に目を向ける時間を減らして、紙の本に親しんでみてください。

「2022 夏 すいせん図書【5】」 は こちら。

【すいせん図書 2022.8.8】

数学科 S.Y.先生から 
『解きたくなる数学』佐藤雅彦著 岩波書店
数学の問題って、どうも抽象的で理屈っぽく、やらされてる感がありますよね。僕も問題を解いたり作ったりしていると、そんな感じがしてきます。ところが、この本に出てくる問題は、具体的で現実的で、それでいてつい、そこにある数学的な仕組みを解明したくなってしまうような、そんな解きたくなる問題ばかりです。結構話題になったので、読んだ人も多いかと思いますが、まだの方はぜひ手に取ってみてください!

 

『数学が好きになる数の物語100話』コリン・スチュアート著 ニュートンプレス
あなたには、「好きな数は何ですか?」と聞かれて、なんとなくいつも答える数がありますか?例えば僕は、4月生まれなので、いつも「4」と答えています。ところが、この「4」という数には、「地図を塗り分けるときに、隣り合う地域が同じ色にならないように塗り分けるために必要な最小の数」という数学における大きな特徴もあります。これは四色定理という有名な定理で、四色定理は、はじめてコンピューターで解明された数学的定理でもあります。
このように、数には様々な物語があります。例えば、「20」は「ルービックキューブの全面を揃えるまでの最多手数」ですし、「1260」は「最小のヴァンパイア数」です。ヴァンパイア数という名前だけで面白いですね。
この本は、0から無限まで、100の数にまつわる数学のエピソードを紹介したものです。気になる数だけ読んでみるのもいいと思いますよ。

『数学10大論争』ハル・ヘルマン著 紀伊国屋書店
高等科で学習する「微分・積分」。中等科でも名前は聞いたことがあると思います。この微分積分学を確立していったのが、有名なニュートンとライプニッツなのですが、微分積分学について、「この2人のどちらが賞賛に値するのか?」という論争は、当時凄まじいものがあったそうです。「嫉妬、野望、競争心 天才たちも“人間”だった」(帯の言葉を引用)とある通り、本書は、数学史の舞台裏で繰り広げられた人間ドラマを綴ったものです。数学に関する知識があった方が面白いと思うので、高等科向けかと思いますが、数式や問題は出てこないので(出てきても理解しなくて大丈夫)、興味のある方はどうぞ!

『真夏の方程式』東野圭吾著 文藝春秋
こちらはミステリー小説です。探偵ガリレオシリーズの長編3作目。映画化もされました。7月に授業で方程式を扱うと、意味もなく「真夏の方程式」と言いたくなりますが、あまり(というか全く)小説の内容と数学は関係ありません。ただ、主人公の湯川が小学生の少年にかける言葉は、理科や数学を学ぶ意味を考えさせてくれるので、好きな小説です。長編1作目の『容疑者xの献身』も面白いのでそちらもおすすめです。こちらには上で紹介した四色定理が出てきます。

 

英語科 S.H.先生から 
『モモ』 ミヒャエル・エンデ作 岩波少年文庫

「小さなモモにできたこと、それはほかでもありません、あいての話を聞くことでした。」
『モモ』は私にとって、とても大切な本です。なぜなら、モモという一人のちいさな女の子が、いつでも、私にとって大切なことに気づかせてくれるからです。初めてこの本に出会った小学4年生の頃から、私はずっとこのモモという少女に惹かれています。そこに「いる」こと、そして本当に「聴く」ということがなかなかできない時、私はこの本の言葉に触れます。何かに追われているような気がして苦しい時でも、『モモ』を読むと自然と心がほぐれ、目の前の現実と向き合う勇気が湧いてきます。何となくモヤモヤしている時や寂しい時、誰かに背中を押してもらいたいあなたに、オススメしたい1冊です。

最高学部図書グループ K .R.さん 
『少女地獄』夢野久作箸 KADOKAWA

夏は怪談が読みたい、怖い話に触れて暑い夏を乗り切りたいと思っている中高生におすすめです。また、哲学的に考えても非常に面白く、人間の「虚偽」とは何か?そんなことを考えさせてくれます。誰しも、他者に打ち明けたくないこと。話を偽りたいと思うことは無いでしょうか?思春期で他者からの眼が気になる中??なら、なおさら読むことをおすすめします。皆も他者に?栄を張りすぎないように。著者は「ドグラ・マグラ」で有名な夢野久作。独特な文体と擬音、底しれぬ恐怖感が、映像とは別の怪談になっています。

『ソクラテスの弁明』プラトン箸  岩波書店
男子部、女子部に入学して、自分は何のために学ぶのか? 疑問に思っている?は多いと思います。私もその一人でした。この本を読むと、自分は何のために「知恵」をつけるのか?「学習」とは何なのか?を学べると思います。この本をきっかけに、勉強することが楽しくなると良いでしょう。自分の信ずる「知」とはなにか?それを見つける夏休みにしてほしいです。

 


『自由の牢獄』ミヒャエル・エンデ箸  岩波書店
自分が今取った「選択」が間違っているのではないか?そんなことを思った人はいないでしょうか?誰しも、自分が決めた選択肢が正解なのか?そこには大きな葛藤があると思います。この小説は、自由だからこそ選択できない。「自由故の迷い」について言及された小説です。自分が広すぎる選択肢に縛られていないか?この夏に考えてみてほしいです。

 

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