今週の1冊『外来種は悪じゃない ミドリガメのための弁明』/図書館 お知らせ・近況 - 一貫教育の【自由学園】/ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

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図書館 お知らせ・近況

今週の1冊『外来種は悪じゃない ミドリガメのための弁明』

2023年11月13日

2023年11月13
『外来種は悪じゃない ミドリガメのための弁明』 伊地知英信 著 草思社
単に外来種の弁明をしている本ではありません。クマのニュースが毎日聞かれる昨今、身の回りの自然に思いを巡らせ、自然そのものの在り方について考させてくれる本です。
著者は言います。「―外来生物は悪者で、在来生物は良い存在だという単純な考えにも疑問を抱く。つまり生き物を良い悪いで見ること自体がおかしな自然観だと思うのだ。だから外来生物を取り除けば「理想の自然」が再現される、という考えを疑っている。」そして、小学校4年生くらいまでは、「自然の危機」を伝えるよりも、「自然の楽しさ」を体感させるべきで、楽しさや驚き(センスオブワンダー)を感じて初めて「ナチュラル・リテラシー」(自然に呼応する力・共感力)を身につけることができる、その臨界期は思春期前である。というのです。
そもそも外来種とはどういうものでしょう。外来種の小魚やエビで子育てするカワセミを私たちは喜んで見ています。作者は生物を人の手で移住させてきた様々な事例や、生態学・環境学・社会学などの変遷で、人々の見方がどのように変わってきたか等、いろいろな角度から人と自然の「これまで」を提示します。最後にこれからの「かくあるべし」が述べられるわけではなく、少し視野を広げて自然に接し、自然を楽しみましょう、と誘われているように感じました。生き物好き、自然好きな方、ご一読をお勧めします。

 

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