今週の1冊『道具のブツリ』/図書館 お知らせ・近況 - 一貫教育の【自由学園】/ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

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図書館 お知らせ・近況

今週の1冊『道具のブツリ』

2023年12月11日

2023年12月11
『道具のブツリ』 田中幸・結城千代子 文 大塚文香 絵  雷鳥社
私には「お気に入りのスプーン」というのがある。微妙な口当たりとか、握り具合とか。どうしてそれが心地よいのか、ブツリ的に考えたことは今までなかった。スプーンの丸いところを「つぼ」と呼ぶそうだが、その断面のかたちで掬ったものの流れ方が変わってくる。そこに働いているのはブツリの法則。
私たちは気づかないうちに梃子の原理に基づいてお箸を使い、自分の握力よりも穏やかな力になっている箸先で豆腐をつまみ、お箸の摩擦力を利用し、重力に逆らって豆腐を持ち上げる。そんなこと、普段気にもしていないけれど。
ながす道具、さす道具、きる道具、たもつ道具、はこぶ道具の5つジャンル、全25種類の身近な道具について、「ブツリってこんな身近なところにいますよー」と声をかけているような本。読みやすい文体で書かれているのに、中身はちゃんと物理の法則や歴史について説明されている。見やすいイラストもやさしいタッチ。
著者のお二人は、物理教師としての仕事の傍ら、幼児、親子を対象にした科学あそびの活動を行い、本や会報誌での発信も数多くなさっている。「理にかなったものは美しい」、先人の知恵が詰まった道具たちに働くブツリについて、おしゃれに楽しんで理解してほしい、と書かれている。
本の形は縦横比が2:1の長方形。コデックス装という180度開けるタイプの製本になっているので、どのページを開いても読むときの紙面は正方形。そんなところも楽しめる本です。

 

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