今週の1冊『かたちには理由がある』/図書館 お知らせ・近況 - 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上【一貫教育の自由学園】
図書館 お知らせ・近況
2024年1月29日
2024年1月29日『かたちには理由がある』秋田道夫 ハヤカワ新書 プロダクトデザイナーの仕事について書かれた本です。まず口絵に、著者がデザインしたもののカラー写真が並びます。どれもとても美しい。その中には「信号」もあります。信号にデザインなんてあるの?!と驚きましたが、あるのです。プロダクトデザインは、デザイナーの個性を前面に出すというよりも、使いやすさや安全性、生産性(大量生産に耐えうるか、大きさや重さも重要なポイントになります)など、多くの要素について同時に考えなくてはなりません。だからものすごく窮屈なのでは?と思うのですが、著者はそうではない、と言います。どうしてかな、と読み進めていくと、秋田道夫という人の仕事の仕方そのものがポイントのようだ、ということがわかってきます。特に、同じチームの人(依頼人や工場の職人さんなど)とどうコミュニケーションをとっていくかは重要です。「間違いを素直に指摘できて、それを素直に認めて改められる信頼関係」「任せられる部分は任せた方がよい」「相手に求める前に自分自身が誠実で素直な気持ちで接する」。きっとこうした姿勢や生き方が多くの人に受け入れられ、使い続けられるデザインを生んでいるのかなと思わせられました。ちなみに、明日館の窓のデザインについても触れられていますよ。
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