今週の1冊『モヤ対談』/図書館 お知らせ・近況 - 一貫教育の【自由学園】/ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

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図書館 お知らせ・近況

今週の1冊『モヤ対談』

2024年9月9日

2024年9月9
『モヤ対談』 花田菜々子 小学館
作者は書店員で、自分が好きな本の著者と対談する、という企画です。作家が多いですが、学者や漫画家、写真家など、さまざまな職業の人たちと話しています。『他者の靴を履く』の著者であるブレディみかこさんは、「「I」でしゃべれない日本の会話」について話します。日本人は主語のない文章を話すことが多いのですが、イギリスでは幼児期から自分の意見を言える人間になることをめざした教育をするそうです(ブレディさんは当地で保育士もされている)。「私はこう思う」ということを伝える、周りに流されない、それは自分自身の人生を生きる、ということにもつながると。また、各地で「哲学対話」を試みている永井玲衣さんは「論破」について、「それってあなたの感想ですよね」と話を打ち切る若者に対して、それは結局「大人が無意味な校則や常識を「そういうものだから」と話しを打ち切って押し付けてきたやり方とかわらない」と話します。そうではない対話をするには、「よく聞くとか、待つとか、ままならさに耐える知的体力があるかどうか」が大事になる、という言葉が印象的です。国語辞典編纂者の飯間浩明さんは、若者言葉について「若い世代はほんとうに自由に言葉を作り出します」と話します。年寄にはその力がないので、どんどん若者に言葉を作ってもらわないと日本語がやせてしまうと。確かに「ワンチャン」「テヘペロ」など、中年以上の大人からは生み出されないですよね、きっと。日本語の豊かさは若者によって支えられているというのは新しい視点でした。いろいろな視点に出合える一冊、おすすめです。

 

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