今週の1冊『社会を変える学校、学校を変える社会』/図書館 お知らせ・近況 - 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上【一貫教育の自由学園】
図書館 お知らせ・近況
2024年10月14日
2024年10月14日今週の一冊『社会を変える学校、学校を変える社会』工藤勇一・植松努、時事通信出版局元麹町中学校校長・横浜創英中学高等学校長である工藤勇一氏は、公立中学校での制服、定期テストの廃止など、教育は何のためにあるのか?を常に問いながら変革を続けてきた人です。一方植松さんは、北海道で植松電機という会社を経営しています。廃材の中から強力な磁石によって鉄のみをソートする機械を開発するなど、オリジナルの商品を持ちながらその収益によって、ロケットなど宇宙関連の開発も続けている面白い経営者です。この二人が教育について語り合った、対談本です。印象的だったのは、植松電機の採用方法についてです。ここのところ、積極的に採用しているのは、高卒の文系の人だそうです。なぜかというと、社員に社長が「これをやってみて」と仕事を振ると、たとえば大卒理系の人は「それは自分の専門分野ではないので」と断ってくることが多い。ですが、高卒文系の社員は「わかりました。どうすればよいですかね」と挑戦していく。そして失敗する。失敗したらそれがなぜかを考えてまた挑戦をしていく、というのです。また、工藤さんは「一人ひとりが当事者意識を持てる」ような教育環境を模索しています。自分で決めていないと、いつまでたっても人のせいにしてしまう。でもその人生が面白いのか?と。人口減少社会で、一人ひとりが充実感をもって生きていくためには、学校はどうあったらよいのか。そのヒントがつまった1冊です。
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