今週の1冊『雑誌「教育」2024年11月号』/図書館 お知らせ・近況 - 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上【一貫教育の自由学園】
図書館 お知らせ・近況
2024年10月21日
2024年10月21日『雑誌「教育」2024年11月号』 旬報社この雑誌は毎号意欲的な特集を組んでいるのですが、11月号の第一特集はかなり興味深いものでした。「学校の「男性性」を問う」というタイトルで、7人の著者が論考を寄せています。前川直哉は学校という場所の持つ機能として以下のように主張します。「近代社会において公私の分離が明確となり、「男性は外で仕事、女性は内で家事・育児」という性別役割分業観が規範となる中、「外」すなわち(既存の、男性化された)公的社会への訓練を行う場としての機能を高めようとする限り、学校は必然的に男性化された空間にならざるを得ない」。つまり、生徒たちが出ていくであろう社会状況に合わせて教育を行うとしたら、学校内にもその影響が及ぶというのです。実際、教員社会を見ても、特に管理職は男性が多い。文科省の調査によれば小学校の教員は6割が女性なのに女性校長は25%、中学校は10%(中学校教員の女性は44%)、高校にいたっては9%(同33%)です。また、男子校に勤務する女性教師の論考からは、アンコンシャスバイアス(無意識の思い込みや偏見)をどう可視化するか、その難しさが感じられました。埼玉県公立高校の共学問題もそうですが、私たちは多様な構成員から成る社会をどう実現していくのかを常に問われています。そのためのヒントが満載の特集でした。
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