今週の1冊『宙わたる教室』/図書館 お知らせ・近況 - 一貫教育の【自由学園】/ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

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図書館 お知らせ・近況

今週の1冊『宙わたる教室』

2024年12月2日

2024年12月2

『宙わたる教室』伊予原新 文藝春秋 
定時制高校が舞台の小説です。新年度から赴任してきた理科教師・藤竹は、この学校に科学部を創設しようと、ある行動に出ます。日中はリサイクル工場で働く20代の岳人、夫と共にフィリピン料理の店を切り盛りする40代のアンジェラ、中学で不登校になりこの高校に進学した10代の佳純、自分の工場をたたんだ後、高校に入学した70代の長嶺。この5人を軸に、物語は進みます。生徒一人ひとりのそれまでの人生、また、藤竹自身のキャリアが丁寧に描かれるのですが、年齢も性別もまったく異なる4人の生徒が、ある一つの目標に向かって協力していく様が、とても生き生きと描かれているのが印象的です。
科学部が発足し、火星と同じ環境を作ってクレーターを再現する実験に挑むのですが、教室ではまったくわからなかった彼らの特技(本人たちも気づいていない)が生かされます。面白いのは、藤竹がこの4人それぞれを個別に科学部創設に巻き込んでいくときには、藤竹自身も気づいていなかった各人の長所が、時間がたつにつれてどんどん表れてくるところです。はたから見たら凸凹メンバーの科学部は、目標を達成することができるのでしょうか? ちなみにこの小説は現在、NHKで放送中の「宇宙わたる教室」の原作です。ドラマは見たことがなかったのですが、新聞でこの物語を取り上げる人が多く、読んでみたところかなり面白かったのでご紹介しました。ぜひ「あとがき」まで読んでくださいね。

 

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