今週の1冊『浪江町赤宇木の記録 百年後の子孫(こども)たちへ』/図書館 お知らせ・近況 - 一貫教育の【自由学園】/ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

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今週の1冊『浪江町赤宇木の記録 百年後の子孫(こども)たちへ』

2025年5月5日

2025年5月5

『浪江町赤宇木の記録 百年後の子孫(こども)たちへ』
本書は2011年3月の東日本大震災による原発事故で、集落ごと避難を余儀なくされた福島県浪江町赤宇木地区の記録誌です。朝日新聞2025年3月6日の記事でこの本の存在を知り、非売品ということで近隣の図書館でリクエストをしたところ、国立国会図書館からの取り寄せとなりました。館内閲覧のみ、2週間という期限の中で読みましたが、作成した方たちの想いがダイレクトに伝わってくる、いろいろな意味で驚かされる内容でした。800頁の大著ですが、赤宇木地区の古代からの歴史、なぜ人が住むようになったのか、生業はなんであったか、地域の祭り、宗教、冠婚葬祭などの儀式、震災の日からの日録や、避難地区になった後も毎月帰宅が許されるたびに各家で観測した放射線量の記録などもすべて収録されています。先祖代々大切にしてきた地域から、原発事故によって避難せざるを得なくなり、生きている間には帰れそうにない。でもいつか、子孫たちがこの地区に戻れる日がきたら、この本を参考にしてほしい、というのが編纂意図だそうです。この地区に住んでいた方々の家族の歴史も収録されており、事故が奪ったものがいったい何だったのかを具体的に突き付けられます。この本を読んだら、原発の再稼働の推進や、先日のエネルギー基本計画のような内容はとても作れないのではと思いました。学校の図書館には今はありませんが、近隣の公立図書館で上記のように取り寄せることは可能です。ぜひ多くの方に読んでいただきたいです。
書影提供:テレビユー福島報道部

 
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