猛暑、津波、台風。皆さんがそれぞれいる場所で、守られて、よい日々を過ごしていますように。
第3週は社会科O.M先生 国語科K.S先生 中等部・高等部図書館スタッフからです。
『沖縄について私たちが知っておきたいこと』 高橋哲哉著 ちくまプリマー新書 2024年沖縄って、きれいな海や観光地として有名だけど、本当のところどんな場所なんだろう? この本は、哲学者の著者が、私たちが意外と知らない沖縄の深い歴史や、今も続く基地の問題について、わかりやすく教えてくれる一冊です。「なぜ沖縄にはあんなにたくさんの基地があるの?」「沖縄の人たちは何を考えているの?」といった疑問に、一つ一つ丁寧に答えてくれます。歴史的な背景はもちろん、現在進行形の問題まで、沖縄が抱える「重さ」や、そこで暮らす人々の思いが、きっと伝わってくるはずです。沖縄を訪れた際に、あるいはニュースで沖縄のことが流れてきたときに、「なぜ?」と思ったことがあるなら、ぜひこの本を手に取ってみてください。沖縄について、より深く多角的に理解するための大切なヒントが、ここにあります。(O.M先生)
『沖縄戦記 鉄の暴風』 沖縄タイムス社編 ちくま学芸文庫 2024年今から80年前の1945年、第二次世界大戦中の沖縄では、住民を巻き込んだ激しい地上戦が行われました。その戦いの記録が、この『沖縄戦記 鉄の暴風』です。「鉄の暴風」とは、アメリカ軍が撃ち込んだ砲弾や爆弾のすさまじさを表す言葉で、沖縄の美しい自然が破壊され、多くの命が失われた様子を表しています。この本は、沖縄タイムス社の記者たちが、生き残った人々への丁寧な取材をもとに、当時の沖縄で何が起こったのかを克明に記録しました。歴史の教科書だけでは伝わりきらない、人々の悲しみや苦しみ、そして過酷な状況の中で生き抜こうとした人々の姿が、ここにあります。戦争の悲惨さを知り、平和について深く考えるきっかけになるはずです。決して忘れてはならない歴史の真実を、ぜひこの本で感じ取ってください。(O.M先生)
『ドエクル探検隊』 草山万兎著 福音館書店 2018年夏だ、冒険だ、ペルーに行こう!!フィクションなのか歴史書なのかわからなくなる壮大なお話。舞台が1930年代なので、ほんの少し今とは違うなと思う設定があるかもしれないけれど、そんなことは気にならないほど、どんどんページをめくりたくなる。主人公は12歳だが、高校生が読んでも大人が読んでも読みごたえ十分。解明されていない「絶滅」の真相って、本当はこんなストーリーが隠されているのかもしれません。動物がたくさん出てきて大冒険をともにするので、動物好きの君にもおすすめです。(K.S先生)
『ぼくらの戦争なんだぜ』 高橋源一郎著 朝日新書 2022年ああそっか、だから「平和」に関する勉強が「ぼくら」のことって思えないんだ。教訓じみた文章ではなく、戦争を知ろうとするときに生まれる違和感をこんなにもわかりやすく説明してくれる本があるなんて。広島に行こうとしている中3のあなたへ、「戦争」「平和」という言葉が遠く離れている気がする高等部のあなたへ、おすすめです。≪ことば≫は物事への距離を縮めるし広げる。わかってはいるけれど、戦後80年の今こそ≪ことば≫に操られない「ぼくら」でいたい。(K.S先生)
『里見八犬伝』 滝沢馬琴著 ポプラポケット文庫 2015年
おすすめです。原作者は江戸時代の小説家 滝沢馬琴(曲亭馬琴)。
ストーリーもキャラクターも魅力的なので、ぜひ読んでみて下さい。(Yさん)
『モモ』 ミヒャエル・エンデ作 岩波少年文庫 2005年
オススメします。(Eさん)
『世界から猫が消えたなら』 川村元気著 小学館文庫 2014年
主人公が陽気な悪魔と今日からこの世の「モノ」を毎日少しずつ消していく、という物語。題名の通り最後には猫を消すが果たして結果は…? めちゃくちゃ泣けるのでおススメの一冊です。(Tさん)
『推理大戦』 似鳥鶏著 講談社文庫 2023年
世界中の名探偵たちが「聖遺物」を巡り争奪戦を繰り広げる。彼らの超人的な特殊能力を駆使した頭脳戦に驚かされること間違いなし。読書の苦手な人でも読む手がすすむ1冊です。(Wさん)