夏休み終盤、2025年ラストのすいせん図書になりました。
今週は、最高学部の歴史学、生物学、外国語先生方と図書館の先生と生徒のスタッフからです。
『だれが歴史を書いてるの? 歴史をめぐる15の疑問』
ピエルドメニコ・バッカラリオ/フェデリーコ・タッディア共著 太郎次郎社エディタス 2022年この本は、歴史上のできごとや人物について書かれた本ではなく、「歴史的な考え方」について書かれた本です。歴史を勉強するうえで、もしかしたらこの本に取り上げられている15の疑問を、疑問に思ったことがある人がいるかもしれません。実は、最近の歴史研究で話題になっている大切な考え方も取り上げられています。
小学生にもわかるように、わかりやすく書かれているので、歴史を勉強する人、苦手な人、好きな人に読んで欲しい。(N.T先生)
『ホクレア 星が教えてくれる道』 内野加奈子著 小学館 2008年著者はハワイの伝統航海カヌー「ホクレア」の日本人初のクルーです。この本は、著者が経験した2007年のハワイから日本への「ホクレア」航海記ですが、航海のようすだけでなく、ハワイの歴史、日本人移民という日本とハワイの関係、星や波の行方など自然が教えてくれるヒントを読み解きながら航海する伝統的航海術、著者が感じたことなど様々な話が登場します。地図もスマホもGPSもない時代、島影ひとつ見えない海をどうやって目的地の島にたどり着いたのか、皆さんは想像できますか?古代人の航海術の不思議、海と関わって生活してきた人々のことなど、この本を読みながら想像してみてください。(N.T先生)
『虫を描く女(ひと)~「昆虫学の先駆」マリア・メーリアンの生涯』 中野京子著 NHK出版新書 2025年かつてドイツの500マルク札の肖像画になっていたマリア・メーリアン(1647~1717)という「昆虫学者で植物画家」という女性がいました.
当時,昆虫学という学問はなく昆虫は腐敗物から自然発生する,と信じられていました.
女性ゆえに教育を受ける機会も制限された中で,メーリアンは徹底した観察主義により昆虫の生態を明らかにし,それを素晴らしい図版として残しています.彼女の行動力の源は,小さき命のなかに神の業をみていたことにあったとされます.
結婚し2人の娘を授かるものの離婚,50歳を過ぎてオランダ領のスリナムへ渡航し,そこでも昆虫の研究を精力的に行いました.
「真理を知りたい」という願いを生涯貫いた生き方から,大いに刺激を受けていただければと思い本書を推薦します.(O.S先生)
『ランラン星のテテロン』 権正生著 展望社 2025年Y.H先生が韓国でとても敬愛されている作家 権正生(クォン・ジョンセン)さんの最後の作品を紹介してくださいました。
『Garden 8月9日の父をさがして』 森越智子著 童心社 2025年長崎の原爆のお話です。私の母は主人公の父と同じ年齢。6月の福岡空襲の中を生き残り、長崎の原爆の何日かあとに長崎県の早岐という駅のホームに並べられた真っ黒なご遺体をたくさん見たとのこと。最近になって始めて話をしてくれました。(F.Y先生)
『花の子どもたち』 小手毬るい著 フレーベル館 2025年「第1章 日本の金魚、アメリカの大海へ」というタイトルを見て、留学した友人の“討論”の授業の話を思いだしました。この本はフィクションですが、リサーチ:調べるとは何か、多様性とは何か、人の話を聞くとは何かを考えさせてくれます。みなさんの今後の生活のヒントにもなるかもしれないと思い紹介します。(F.Y先生)
『そして五人がいなくなる』 はやみねかおる著 講談社青い鳥文庫 1994年
亜衣たちの家の隣に引っ越してきたのは「名探偵」と名乗る夢水清志郎。彼が本当に名探偵か疑いながらも、亜衣たちは夏休みに出かけた遊園地で、連続少年少女消失事件に巻き込まれる……。この夏、記憶力も常識もない、でも正真正銘の名探偵に出逢ってみませんか?(Hさん)
『なぜ僕らは働くのか』 池上彰著 Gakken 2020年
将来を考えてちょっと心配になっている人におすすめです。
大人になる時に必要な、社会や経済の事をわかりやすく図や絵を使って説明されています。興味があるページだけ読むのも良いと思うので、ぜひ手に取って開いて欲しいし、年齢関係なくどんな人も一度は知ってほしい。(Oさん)
『窓ぎわのトットちゃん』 黒柳徹子著 講談社文庫 2017年
「徹子の部屋」でお馴染みの黒柳さんが自身の小学時代を書いた有名な1冊。
シリーズ化もあり、映画化もした本作。「トットちゃん」と呼ばれた可愛い女の子が、いつもなぜか問題を起こしてしまう。ちょっとクスっと笑える話まんさいです。
あなたもきっとのめり込まれるはず、何度も読み返したくなる感動とホッコリさせてくれる本になるはずです。(Oさん)