いよいよ夏休みも後半になってきました。みなさんお元気ですか。
今週は 理科、国語科の先生方、中等部高等部の図書館スタッフからです。
『具体と抽象 世界が変わって見える知性のしくみ』 細谷功著 dZERO 2014年私たち人間にしかない能力はなんだと思いますか?さまざまな視点でこのテーマはよく語られますが、この本では「具体と抽象」という視点にしぼって書かれています。「具体的に話すと〜」、「話が抽象的でよく分からない。」のように使われる具体と抽象という言葉。私たちは日々の生活の中でそれとなく意識せずにこの考え方を利用しているのです。例えば、毎日食べる昼食。準備する食器もメニューも味も毎日違うはずなのに、何故か私たちはこれを“食事”として抽象化して会話をしています。職員室に入った時に、自然と〇〇先生と名前をつけて先生を呼ぶのも具体化の思考です。そんな私たちの思考の不思議を読み解いてみませんか?(I.T先生)
『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?経営における「アート」と「サイエンス」』 山口周著 光文社新書2017年芸術や美術が、仕事に大きく関係すると言われたら、どんな職業を思い浮かべますか?多くの人が学芸員や博士、芸術家を想像するのではないでしょうか?しかし今、世界で活躍する企業の幹部らが、積極的に芸術や美術を学んでいるのです。その背景にあるのは社会情勢の変化、つまりは私たちの生活の在り方の変化にあるのです。ファッションではブランド嗜好からプチプラへ、家具や家電は機能性だけではなくデザイン性が求められる時代になってきました。こういった時代の変化には数値や理論で考え抜かれたサイエンス的な方向性だけでなく、気持ちよさや心地よさといった直感的な方向性が必要になるのです。もし、ビビッと何かを感じたのであれば直感でこの本を開き始めてはいかがでしょうか?(I.T先生)
『移動する民 ノマドのくらし』 キンチョイ・ラム著 玉川大学出版部 2024年今年の夏はどこに行ったって暑い。クーラーの効いた部屋で、移動する家、移動する人々に思いを馳せるのはどうだろう。
手始めに、1カ月暮らすには何を持って家を出るのか書き出してみたらいい。わからない人は本を眺めながら考えたらいい。ほんわかする絵本のようでいながら、現代の〈ノマド〉が直面する問題をはっきり言葉でも綴っている。
私は、ネネツ族に惹かれる。私たちがここ東京で授業を受け、友達と遊んでいる間にも家ごと移動している人々がいるって考えただけでもどきどきしないかい?(K.S先生)
『それでも、世界はよくなっている』 ラシュミ・サーデシュパンデ著 亜紀書房2022年そんな取り組みあったのか?!悪いニュースばかり飛び交う毎日にうんざりしたそこのあなた、そして悪いニュースの実態をイマイチ理解できていない気がするそこの君!この本をとにかく開いてみよう。
現状に満足して安住するための本ではなく、世界を変える取り組みがきれいごとではなくなる本だ。この本がすべてではないことも確かだが、美術、政治、環境、医療がぐっと身近になるし、本当に今も続く活動なの?とネットで検索せずにはいられなくなるはず。夏休み、することがないなあなんて言わないで!この本に掲載されている活動の真似をしてみては?(K.S先生)
『薬屋のひとりごと①~⑮』 日向夏著 ヒーロー文庫 2014年
漫画やアニメで人気を集めている作品ですが、私は原作をオススメしたいです。
少し難しい言葉や漢字もあるけれど、そこもまた面白いし古風なところが私好みです。ぜひ読んでみて下さい。(Yさん)
『そして誰もいなくなった』 アガサ・クリスティー作 早川書房 2010年
離島でくり広げられるミステリー物語。結末は誰も予想できないおどろきたくさんの物語。(Tさん)
『絶唱』 港かなえ著 新潮社文庫 2019年
4つの短編で構成されている、阪神淡路大震災と絡んだ1冊。全てがつながった時、鳥肌が立つ。(Oさん)