8月22日、暖かく湿った空気が流れ込んだ影響で、海山植林地の位置する三重県南部の紀北町周辺に非常に激しい雨が降りました。植林地に水文・気象観測室が設置した雨量計では、参考値で15:40に時間81mmの猛烈な雨を記録しました。また12:30の降り始めからの雨量は251mmを記録しました。
東京はじめその他の地域で同程度の降雨があった場合、低い土地の浸水、河川の氾濫、土砂災害などが発生する可能性が高いですが、植林地をはじめ周辺に目立った被害はありませんでした。当地は年間降水量が4,000mmを超える日本屈指の多雨地帯で、台風の常襲地帯でもあることから、こうした降雨に対応した地形等が長い時間をかけて自然に形成されたと考えられます。こうした点は、今後の研究テーマの一つでもあります。
翌8月23日、海山植林地の作業小屋前をはじめ、普段枯れ川となっている多くの渓流では、音を立てて水が流れていました。しかしこの流水も継続して雨が降らなければすぐに減少し元の枯れ川に戻ります。このようなダイナミックな環境変化は、海山地域の研究フィールドとしての魅力の一つです。
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文・写真:吉川 慎平(環境文化創造センター長・最高学部教員)