3月18日(土)の19時30分から、自由学園環境文化創造センター主催・第1回オンラインセミナー「足もとから考える環境問題~Think Globally,Act Locally~」を初開催し、最高学部学生による3つの自主活動についてそれぞれ学生の代表が発表した。
開催の背景として、2018年に発足したセンターは5年目を迎え、この間「教室からキャンパスへ、さらに地域に拡がる学び」を推進することに力を入れる中で、特に最高学部の学生の研究支援を積極的に行ってきた。これまでの積み重ねによっていくつかの成果が上がり、これを学生自身の言葉で社会に発信する機会をセンターとして設けることにした。
当日は学部3年生の司会のもと、報告時間はそれぞれ15分で、報告後に学外の識者の方からコメントを頂く形式で進行した。
発表①は「和綿栽培を通してRO農法を学ぶ」と題し自主研究「RO農法への挑戦」グループが、温暖化の原因となる大気中のCO₂を、土中に貯留することで注目されているリジェネラティブ・オーガニック農法(環境再生型農業)を学ぶための、和綿栽培の取組みについて発表した。コメントは福島大学の金子信博先生にお願いした。
発表②は「観測を通じて身近なキャンパスを教育・研究フィールドに」と題し、水文・気象観測室が、キャンパスと那須農場・各地の植林地で実施している水文・気象観測を中心に、機器の保守管理からデータの統計までを学生が担い、全校でのデータ活用を推進していることについて発表した。コメントは気象庁東京管区気象台の松野裕耶様にお願いした。
発表③は「新しいスクールシンボル「自由学園の木・花・鳥」の選定」と題し、スクールシンボル選定プロジェクト事務局が、創立100周年を記念するプロジェクトとして、生物多様性の保全と学園に対するアイデンティティの醸成を目的に「自由学園の木・花・鳥」を新たに選定したことについて発表した。コメントは東久留米市市民環境会議の菅谷輝美様にお願いした。
全ての発表後、1年生4名が登壇し、それぞれ活動に参加しての感想を中心としたトークセッションをもち、学生からは「3つのグループに関わり環境問題は一つの原因ではなく、複数の要因が複雑に絡み合っていることがわかった」、「環境問題は問題が大きすぎて自分が努力しただけでは変わらないのではと思っていたが、足もとにある小さなことからでも取り組まないと何も変わらないということを実感した」といった感想が聞かれた。続けてチャットで寄せられた質問に答える時間をもった。会は予定通り21時に終了し、発表者含め61名の参加があった。参加者アンケートからは「学生たちの生き生きとした様子が伝わってきた」「学⽣の発⾔には活動の実績が伺えて、説得⼒があると感じた」「このような場での情報発信も貴重な「実⾏」なのだと、感銘を受けた」「最高学部の研究活動の可能性をとても感じた」など多くの励ましの言葉をいただいた。
今回のイベントは学生の自主活動が中心ではあるが、これらは最高学部の多様な講義や実習・ゼミなどと有機的なつながりあることも示せたのではないかと考える。このような機会を通じて最高学部のユニークな活動・研究について関心を寄せていただければ幸いである。
最後になりましたが、今回後援をして下さいましたナマケモノ倶楽部、東久留米市市民環境会議、また協賛をして下さいました(株)フィールドプロの皆様に、感謝を申し上げます。
● 当日の録画を4月末まで限定で公開しますので、是非ご覧ください。
関連記事はこちら
【3/18オンライン開催】足もとから考える環境問題~Think Globally,Act Locally~
自由学園環境文化創造センター