ナガミヒナゲシを駆除しましょう|その花 きれいでも かわいくても 要注意です!!/環境文化創造センター - 一貫教育の【自由学園】/ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

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ナガミヒナゲシを駆除しましょう|その花 きれいでも かわいくても 要注意です!!

2025年9月7日

道路際などで多く見られるナガミヒナゲシ

 

ナガミヒナゲシPapaver dubium L.) long headed poppy,  長実雛罌粟
原産地:ヨーロッパ・地中海地方
分布:北欧~北アフリカ,西アジア,オーストラリア,南北アメリカの温帯域

 

1.  概要・特徴:
ケシ科の一年生の草本植物.秋に発芽しロゼットを形成し越冬,翌春に花茎を伸ばし開花するのが基本だが,春に発芽するものもある.ポピーに似た花はオレンジ色で良く目立つ.細長い果実には直径0.2㎜ほどの灰黒色の種子が平均1,600粒内臓されるという.花茎は高さ50~60㎝になるが,5㎝ほどの小さな個体でも花・果実をつける.

2. 生態系・人体への影響:
日本では,1961年に東京で初めて確認され,1990年代から急速に分布域を広げ,現在では北海道~九州の広い範囲で確認されている.乾燥に強く日当たりの良い道路沿いなどを中心に生育.荒地や農地への侵入も見られる.大量の種子を散布するため繁殖力が非常に強いことや,「アレロパシー(ナガミヒナゲシに関しては分泌する化学物質により他の植物の成長を阻害する作用が指摘)」による生態系への影響が懸念されている.
また茎や葉を折った場合に出る白色または黄色の乳液には,植物毒である「アルカロイド」が含まれるため,触れるとかぶれ・ただれが起きる可能性が指摘されている.

3. 外来種対策の状況:
環境省は「特定外来生物」等に指定していないのが現状である.一方, 2025年7月現在,関東地方を中心に東北から九州までの182の自治体と7つの県がWebサイトに注意喚起情報を掲するなど,市民に対して可能な範囲での駆除が呼び掛けられている状況.

4. 駆除方法と注意点:
敷地内等で発見した場合は,種子の散布前(結実前)に駆除することが望ましく,開花を確認したら早期に抜き取りを行う.抜き取ったものはビニール袋などに密封し可燃ごみとして処分する.駆除の際は素手で直接触ることは避け,手袋などを着用して行う.

 

ナガミヒナゲシのつぼみ

 

ナガミヒナゲシの花

 

ナガミヒナゲシの果実

 

注意喚起用ポスター

 

注意喚起用ポスターのPDFはこちら

 

参考文献:
①藤井義晴:春に気をつける外来植物:ながみひなげし, 農環研ニュースNo.90, 2011
②吉川正人:緑化植物どこまできわめるナガミヒナゲシ(Papaver dubium L.),緑化工学会会誌,35(4),2010.
③吉川慎平,小田幸子,吉川千春:自治体発信のナガミヒナゲシ(Papaver dubium) に関する注意喚起情報の追跡調査結果とキーワード検索需要の傾向分析,第56回日本緑化工学会大会研究交流発表会要旨集,2025.

 

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