「懐かしい再開、卒業生の不思議なつながり」/前学園長ブログ - 一貫教育の【自由学園】/ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

「懐かしい再開、卒業生の不思議なつながり」/前学園長ブログ - 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上【一貫教育の自由学園】

前学園長ブログ

「懐かしい再開、卒業生の不思議なつながり」

2023年10月12日

初等部での稲刈りの真っ最中、自由学園中等科で学んだ西伊豆在住の卒業生Iさんのうれしい訪問がありました。近況は共有していましたが、顔を合わせるのは久しぶりでした。この日は、思い出を共にした懐かしい先生、同級生との懇親会を企画しているとのこと。
以下はIさんのメッセージの一部です。

***
何年ぶりか記憶にないけど中学を過ごした自由学園へ行って来た。

先生のいる初等部へ行ってみると、小学生たちと田んぼで稲刈りしてハザ掛けをしていた。まさか東京の学校でこんな景色を見るとは思わなかったので驚いた。会いたかった和也先生ともお話できてとても良かった。今も変わらず温かい言葉を使う先生だった。
その後敷地をウロウロ散歩させてもらう。生徒たちは体操会の練習で忙しそうにしている。懐かしい姿だ。

自由学園は敷地がとにかく広い。畑や果樹園、綺麗な川もあり、生徒が管理する豚舎(子豚から飼って大きくなったら屠殺場へ送り昼食に肉として戻ってくる)や巨大な芝生(100m近くありそう)もある。

自由学園の建物は、池袋の明日館は建築家のフランク・ロイド・ライトが設計し、東久留米の学園の建物はその弟子の遠藤新が設計した。以前、目白駅近くにある教会の前を車で通ったとき、一瞬目に入ったエントランスが気になって後になって調べてみたところ、遠藤新さんの設計と知ったことがあった。もしかしたら生徒だった人はライト建築(または弟子)をパッと見て分かるようになっているのかもしれない。

***
田んぼの作業を楽しむ子どもたちの様子を眺めながら自由学園時代の心に残る思い出を語ってくれたIさん。

「卒業後時間が経って、あの頃はわからなかった自由学園の考え方に共感している自分がいる」との言葉が印象的でした。

ライト風建築については、私もまったく同じ感覚を持っています。ものを言うことのない建物や自然環境ですが、生活を通じてそのたたずまいに込められた美意識や思想性に触れていると、それが身体を通じて染み込むように記憶されていくのだと思います。そしてそれが建物や自然を見る目に影響を与えていきます。

建築や環境、そして生活それ自体がもたらす教育への影響の大きさを感じます。

***
お土産です、と地元西伊豆「カネサ鰹節商店」の鰹節と下田「まるとうわさび」の生わさびをいただきました。

Iさんはひと月ほど前に、気になっていたまるとうわさびさんの月いちのカフェランチに初めて出かけたそうです。そして会話を交わすうちに、互いに自由学園で学んだ同窓生であったことが明らかに!「まさかの出会い」に驚き盛り上がったそうです。少人数の学校ですが、このような話は不思議とよく聞きます。

まるとうわさびの飯田雅子さんには自由学園100人の卒業生+インタビューでもお話しいただきました。記事はこちからご覧いただけます

「匂いや感触、全ての感覚を子どもの記憶に刻みたい」飯田 雅子(女子部 73 回生)
https://www.jiyu.ac.jp/jgs100/iida.html

楽しい稲刈りが、Iさんの訪問によってさらに心に残るものになりました。その夜の懐かしい懇親の集まりもたいへん思い深いものとなったようです。

高橋和也Facebook 2023年10月6日

カテゴリー

月別アーカイブ