2021すいせん図書 第5回 /図書館 お知らせ・近況 - 一貫教育の【自由学園】/ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

2021すいせん図書 第5回 /図書館 お知らせ・近況 - 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上【一貫教育の自由学園】

図書館 お知らせ・近況

2021すいせん図書 第5回 

2021年8月16日



すいせん図書第5回をお届けします。皆さんの地域ではお盆の行事はどのようなものがありますか?今年は盆踊りも中止のところが多いですね。場所によってはお盆の時期にも違いがあります。このページを見ている方はインターネットを使っているのですから、手始めにウィキペディアで「お盆」を調べてみるとおもしろいかもしれません。ウィキペディアの下の方には【出典】がいろいろ載っています。手軽にウィキで調べた後は、紙の本も確認してみましょう。

2021すいせん図書 第4回 はこちらから

 

【すいせん図書 2021-5】

国語科 S先生から
『項羽と劉邦(全3巻』 司馬遼太郎著 新潮文庫
高等科3年生のみなさん。古典の授業で学んだ、項羽と劉邦の息詰まる戦いの攻防を、最初から最期まで見届けたくありませんか?文庫ではすべて現代語で読めます。高校生の真夏の夜。2000年前の中国の実話。命を懸けた二人の男の争い。何が最後に勝敗を分けたのか。気が付けば、飲食も忘れ、寝るのも忘れ、読書にのめりこむ夏になること請け合いです。張良、韓信、蕭何、虞美人等が鮮やかに目の前に生き生きと現れます。これを読んだら、あなたは「三國志」も読みたくなる。人生に必要なことはすべてここに書いてある。大人になる前に読んでおく必要がある。一生忘れられない言葉がある。それが「項羽と劉邦」です。

図書館 K先生から
『無人島に生きる16人』 須川邦彦著 新潮文庫
無人島生活の話といえばジュール・ベルヌの『十五少年漂流記』やロビンソン・クルーソーの話をご存知だろう。十五少年漂流記は1860年の物語として書かれているが、この話は1898年に起こった実話。この本の原本は、昭和16年から雑誌に連載されたものだったそうだ。明治31年、実際にミッドウエー海域で難破した中川倉吉氏が、後に商船学校の教師にとして語った話が基になっている。実在の「16おじさん」たちは生きるために、淋しさに負けてしまわないために「働き」、「工夫する」。ところどころ、学園の生活とも通じるところもある。読んでいて明治時代の昔の話、という気はしなくなった。おじさんたちの1年間の冒険物語を読んでみてください。


『エンデュアランス号漂流』 アルフレッド・ランシング著  新潮文庫
冒険物語つながりでもう1冊
これも、まだ地球上に未知の部分が残されていた20世紀初頭、南極探検の話。エンデュランス号の遭難は、南極版『アポロ13』。28人の隊員が生きて帰るためにどのような選択をするか、そして行動に移すか。探検隊としては失敗談だが、遭難からの全員生還の成功談。この話は、「リーダーの条件」という宣伝文句もついているが、ユーモア精神で難局を明るく乗り切る見本のような話でもある。ランシング著の文庫本は、読み応えがある厚さ。キメル著の単行本は中学生にもすぐに読める分量です。
『エンデュアランス号大漂流』 エリザベス・コーディー・キメル著 あすなろ書房

 

 

学部生から
『キケン』 有川浩著  新潮文庫
理工学系の男子大学生達の青春の物語です。私はこれに憧れて理工学系に進もうとしました。それくらい楽しい本です。大学生活に憧れを持つ中高生に、ぜひ読んでもらいたい1冊です。

 


『ロミオとロミオは永遠に』 恩田陸著 早川書房
日本のSFで奇想天外なストーリーですが、勢いがあってあっさりと読めます。昭和を思い出させるワードが多く、20世紀の雰囲気が楽しめる作品です。

 

 

『箱男』  安倍公房著  新潮文庫
道にたまに転がっている段ボールの中に住む「箱男」。家やお金があったとしても、箱の魅力に取りつかれた人は皆、箱男になってしまいます。皆さんが気づかないだけで、箱男は身近にいるのかもしれません。安倍公房らしい視点で書かれる物語で少し癖がありますが、アイデアが沢山組み込まれています。箱の中にいる安心感に共感を覚える人は、ぜひ読んでみてください。

 

【レファレンスブック紹介】
レファレンスブックとは、参考図書=調べ物をするための本です。参考図書棚には百科事典や国語の辞書のほかに、さまざまな分野の調べ物に役立つ本があります。その中でちょっとおもしろい事典・図鑑を紹介していきます。今回は『植物』です。

『植物図鑑』といえば、有川浩の小説。という人も多いかも知れないが…。
図書館で植物図鑑といえば、牧野富太郎先生の『原色牧野植物大図鑑』 牧野富太郎著 北隆館 だと私は思う。牧野博士の伝記も昨今刊行されているので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれない。がしかし、本物の図鑑のほうもじっくり見て欲しい。いつも私が何に感動するかというと、一つ一つ細密に描かれた植物図である。 花と花の細部、葉、茎から根に至るまで、植物の特徴も色もよくわかるよう描かれた、手書きの植物図がとてもすてきなのだ。デザイン的にもとても優れている。この図について詳しく知りたい人は、 牧野図鑑刊行80周年記念出版『牧野植物図鑑原図集』 北隆館 2020 がある。牧野博士だけでなくいろいろな方があの植物図を描かれたという事実が書かれた、ちょっと面白い本である。
『A-Z園芸植物百科事典』 英国王立園芸協会監修 誠文堂新光社 2003。園芸植物の美しい写真がたくさん載っている。植える場所、世話の仕方、剪定方法、等、詳しく載っている。ご家庭にぜひ1冊とは言いがたい厚くて重い本だが、涼しい図書館でページを眺めながら、自分だけの庭を想像するのも楽しいかと思う。
植物の図鑑は分類記号 47 植物の棚。庭仕事、ガーデニングに役立つ情報は 62 園芸の棚にある。
(図書館 F先生)

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