2022 夏 すいせん図書 【1】 /図書館 お知らせ・近況 - 一貫教育の【自由学園】/ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

2022 夏 すいせん図書 【1】 /図書館 お知らせ・近況 - 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上【一貫教育の自由学園】

図書館 お知らせ・近況

2022 夏 すいせん図書 【1】 

2022年7月4日

   
今年もすいせん図書をお届けします。
酷暑の1週間から一転して雨続きになりそうです。夏休みまであと2週間、今年はどんな本を読みましょうか?
推薦人は各部の先生方、各部図書の係、学部図書グループ学生。例年より少し早めに掲載を始めますので、どうぞ参考にしてください。
ブログのバックナンバーからは、過去の「夏休みすいせん図書」
今年1学期に掲載した「今週の1冊」もご覧になれます。

【すいせん図書 2022.7.4】

最高学部文科系 N先生
『沖縄語をさかのぼる』 島袋盛世 著 白水社 

沖縄の言葉は独特ですが、もともとは日本語と同じ言葉から分かれたって知っていましたか?この本は比較言語学をつかって沖縄の言葉と標準語との違いや、どうして沖縄では言葉が変わっていったのかを教えてくれます。言葉の変化にも、法則性があるのは面白いです。
今年は沖縄にとって節目の年。沖縄の方言を知りたい人はもちろんのこと、ことばに興味を持っている人、ことばの成り立ちや違いについて調べてみたい人におすすめ。

『青の王』『白の王』『赤の王』 廣嶋玲子 作 東京創元社
魔物と人間が存在する世界で、主人公が冒険を繰り広げる異世界ファンタジー。時間としては青・白・赤の順にながれていくのですが、それぞれのお話は独立しているのでどのお話から読んでもいいです。囚われの少女を助けた少年は、追跡者から守りきれるのか(青の王)。不思議な宝石を預かった少女の運命は(白の王)、火を操る力を持つ少年と正当な王の末裔の少年との友情と冒険が迎えた結末とは(赤の王)。
あなたはどの色のお話が好きですか?

国語科 S先生
今年の夏は、自分至上、一番高いレベルの読書にチャレンジしませんか?読書に高いレベルとか、低いレベルとかあるの?と考えるあなた。そうね。じゃあ、みなさん、どうやって本を選んでるの?私も本屋さんで見たり、アマゾンの本とか、レビューとか見ます。というか、ブックオフとか、町の小さな古本屋さん、大好き。レベルが高いって「芥川賞」とか「本屋大賞」とか?いや、思いっきり高いレベルって、もしかして、ノーベル文学賞???とか?
実は1964年のノーベル賞は、なんと4人もの日本人作家がノミネートされたんです!知ってた?谷崎潤一郎、西脇順三郎(詩人)、川端康成、三島由紀夫の4人です。しかも谷崎は最終候補に残り、受賞者は、フランスの哲学者ジャンポール・サルトルが選ばれています。もっとも、彼、受賞拒否したんですけど。三島も川端も1967年に二人とも最終候補に選ばれます。
じゃあ、この夏は、谷崎、三島、川端、読んでみましょうよ!なんと!びっくり!ですよ。三作ともに恋愛小説なんです。いや、ひたすら美しい。お家の方に「何読んでるの?」って聞かれたとき、「谷崎」「三島」「川端」って答えたら、お家の方の貴方を見る目が変わることまちがいなし。「あなたも大人になったのね。」的な賞賛を受けることでしょう。
『春琴抄(しゅんきんしょう)』谷崎潤一郎箸 新潮文庫
この二人のカップルは、どうなっていくのだろう。え!まさかのこんな愛情の表わし方って、ある?ありえない?この美しい二人に未来は残酷すぎる。
『春の雪』三島由紀夫箸 新潮文庫
この二人のカップルもどうなっていくのだろう。え!まさかの展開に?自分の恋人が天皇家に嫁ぐ?これは豪華絢爛な三島の映像美にひたってください。
『雪国』川端康成箸 新潮文庫
この二人のカップルもどうなっていくのだろう。え!この濃密な恋愛って???行き詰まるような二人が、雪も解けるほどの描写で描かれる。この作品でノーベル文学賞受賞。

国語科 H先生
『存在しない女たち  男性優位の世界にひそむ見せかけのファクトを暴く』
 キャロライン・クリアド=ペレス (著), 神崎朗子 (翻訳) 河出書房新社
「衝撃のデータが、世界の見方を変える!」(河出書房新社HPより)
公衆トイレから最新家電、オフィス、医療、税金、災害現場まで……。一見「公平」に見える場所に隠された、思いもよらない男女格差のファクトとは何か。
年のGWは鼻息荒く、この本を読んでいました。-スマホも男性の手に合うように作られている、-ピアノやギターなどの楽器も女性の手指には大きすぎ、ケガのリスクもある。-「人間」という言葉は「男性」という意味で、そもそも女性は含まれていない。
衝撃の事実がデータと共に紹介されています。著者は、イギリスの紙幣から女性の肖像が無くなるかもしれないことに対して運動を起こし、女性作家の肖像の採用決定につなげたすごいひとです。違和感を感じたら黙っていてはいけない、と勇気をくれる本です。女性たちに読んでもらいたいのはもちろんのこと、男性たちにも是非読んでもらい、一緒に皆が安全で気持ちの良い世界をつくっていきましょう!

国語科 T.S.先生
『子ども白書 2022』  かもがわ出版

『子ども白書』は、「子どもの権利」という視点から教育に関する話題を論じる年刊誌です。「白書」と名付けられていますが、これは政府が発行するものではなく、民間団体である日本子どもを守る会によって、1964年から刊行されているものです(この団体の二代目の会長は、羽仁説子さんがつとめました)。 今年は、「コロナ・オンラインで変わる子ども世界」と題された特集が組まれており、我々の生活に大きな影響を及ぼしているコロナやオンラインの影響と子どもの権利について論じられています。
※この本は、女子部の高野慎太郎先生が編集委員を務められ、高野先生の論文や、養老孟司先生(解剖学者)、成田弘子先生(白梅学園大学元特任教授)との鼎談の内容も掲載されました。「多様性ゼミ」の女子部生、最高学部生、卒業生らも編集に参加しています。(2022.7.9自由学園H.P.記事より抜粋 詳しくは自由学園H.P.をご覧ください

 

 
 

カテゴリー

月別アーカイブ