2022 夏 すいせん図書 【7】 /図書館 お知らせ・近況 - 一貫教育の【自由学園】/ 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上

2022 夏 すいせん図書 【7】 /図書館 お知らせ・近況 - 幼稚園・小学校・中学・高校・大学部・45歳以上【一貫教育の自由学園】

図書館 お知らせ・近況

2022 夏 すいせん図書 【7】 

2022年8月15日

今年も戦争と平和について、考えずにはいられない季節が来ました。社会情勢を見渡しても、楽観できない状況です。読書によって知見を広めるとともに、家族や地域の歴史について深く知ることも大切なことだと思います。
「2022 夏 すいせん図書【6】」 は こちら。

【すいせん図書 2022.8.15】

英語科 M.N.先生から 

『また、桜の国で』 須賀しのぶ箸 祥伝社文庫
私が1学期に、ナチス下のポーランドにいたユダヤ人たちの話を取り上げるきっかけとなった本です。外務書記生の青年が日本とポーランドを繋ぎます。ナチスの厳しい攻撃の中で、彼は『一人の人間として』生きる決意になります。小説内に出てくる日本人、ポーランド人、ロシア人、ドイツ人などがそれぞれ強い個性と生き方を見せてくれます。戦争という特殊な時代の中、たとえ厳しくても自分が信じる道を貫くこと、友を思う気持ちに深い感動を覚えた作品です。

『燃えよ 剣』 司馬 遼太郎箸 新潮文庫
昨年映画化された作品です。幕末の新選組 副長 土方歳三の話です。日野にある彼の姉の実家を訪れると、この小説が一段と面白く読むことができます。常に目の前にある難関に『けんか』を挑む土方歳三。本当は優しい性格なのに、冷血な態度や決断をしながら時代の大きなうねりの中で『けんか』をし続けます。上下巻の長い小説ながら、一気に読める作品です。

『夢をかなえるゾウ』 水野 敬也箸 文響社
何年も前に大ブームを起こした小説です。とても軽い内容ですが、”ガネーシャ”のいうことは一つ一つ納得してしまいます。様々な課題を”ガネーシャ”が出しますが、地味で小さいことばかり。しかし、その小さなことの積み重ねが人生を大きく変える!わかりやすい成功法則書です。これを読んでいれば、夢をかなえることができるかも!

 

『レイモンさん』 植松 三土里箸 集英社文庫
函館にある有名なハム・ソーセージの創設者の話です。肉食習慣のない日本に“レイモンさん”が、故国のハムのおいしさを広めるために日本人の奥さんと戦争時代を乗り越えていきます。『おいしいものは人を元気にする』『おいしいものは人を幸せにする』を信じて”レイモンさん”は前へ進みます。第二次世界大戦時、多くの外国人がつらい仕打ちを受けたことを日本人の私たちは知らなくてはなりません。この小説を読むとおいしいハム・ソーセージが食べたくなるのは間違いありません。

社会科 H.R.先生
夏休みには、終戦記念日があり、戦争について色々考える時と思います。ホロコーストに関する本を紹介します。私たちが、平和への道を考えるきっかけになる本です。ホロコーストについて知ろうと思っている方は、ぜひ読んでみてください。

 

 

 

 

*デンマークにおけるナチスドイツへ抵抗したことがわかる本
『ふたりの星』 ロイス ローリー作 童話館
『黄色い星』ユダヤ人を守った国王とデンマークの人たちの物語 カーメン アグラ ディーディ作 BL出版
自由学園では、コロナ禍以前は、高等科生や最高学部生を対象とした『デンマーク研修旅行』が夏に行われてきました。デンマークは、毎年体操の先生もお迎えしていて、自由学園とは繋がりの深い国です。第二次世界大戦の時に、デンマークはナチスドイツに占領されていましたが、国全体の精神は、ナチスドイツに屈していませんでした。例えば、ユダヤ人は黄色の星を胸につけることになった時に、国王が自らナチスの司令官へ『そうなったらまず国王がつける』と言って、国全体で、ナチスドイツの命令に従わなかったのです。また、第二次世界大戦中、多くのデンマークの国民が協力しあってユダヤ人を匿い、デンマークにいたほとんどのユダヤ人を救うことができました。ナチスドイツがユダヤ人に対して行った計画に対して、オープンな形で抵抗した唯一の国です。そのことがわかりやすくわかる物語と絵本です。
*その他のホロコーストに関する本
『アウシュヴィッツ生還者からあなたへ 14歳、私は生きる道を選んだ』 リリアナ セグレ箸 岩波ブックレ
ット
「婦人之友 2022年2月号」において元毎日新聞記者中村秀明さんが紹介されていた本です。セグレさんは、ユダヤ系イタリア人として迫害を受け、13歳でアウシュビッツ強制収容所に送られた経験を持つ方で、60歳から30年間、語り部として活動をされた方です。その語り部として話されてきた内容が本になっています。凄まじい酷さの強制収容所での生活の中での極限に立たされた人の姿を伝えようと、その時の醜い思いまで正直に話されていて、人としての本当の勇気を感じました。この本の最後には、中村さんのセグレさんへのインタヴューが収録されています。中高生に読んで欲しい一冊です。

『とうさんの手紙はぜんぶおぼえた』 タミ シェム=トヴ箸  岩波書店
オランダではホロコーストへの協力者が多く、戦争中にユダヤ人の約70%が亡くなっています。そのオランダでの地下抵抗運動をしている方々の中で、どうにか生き延びることができた少女のお話です。お父さん、から時々届けられるからの絵入りの手紙の話が、心を打ちます。
『いのちは贈り物 ホロコーストを生きのびて』 フランシーヌ クリストフ箸  岩崎書店
強制収容所へ移送される時の様子や、強制収容所での生活について、想像を超える辛すぎる体験を鋭い観察力で、淡々と伝えている本です。ホロコーストの過酷さがわかる本です。フランスでの読者の感想に『公正なまなざしと静
かな語り口で、非常に心を打たれた』とあります。
『レナの約束』中公文庫 レナ・K. ゲリッセン箸 ヘザー・D .マカダム箸  中央公論新社
ユダヤ系ポーランド人として、アウシュヴィッツ強制収容所に送られたレナ。1942年3月から1945年5月のドイツが降伏するまで強制収容所で生活しました。奇跡的に生き延びることができたのですが、過酷な3年間の生活が日記のように書き綴られている本です。

最高学部生 T.F.さん
『戦後民主主義に僕から一票』 内田樹箸 SBクリエイティブ
著者曰く、「私たちは、自分が知っている組織に基づいて「社会はどうあるべきか」を考える―自分の勤めている会社において「ふつう」なことは、全社会的にも「ふつう」なのだろうと推論する―株式会社の目標は「金を儲けること」であって、「生き延びること」ではない―人間の集団の存在理由は「石にすがりついても生き延びること」民主主義というのは非効率であるところが取り柄なんです」
読みやすい本です。あまり構えずに一回読んでみると面白いと思います。

『観察の練習』 菅俊一作 NUMABOOKS
まず写真を見て観察する。次のページで作者の感じた違和感と比べる。
同じことを考えていたり全く違うところを見ていたり、写真に何の感想も出てこなかったりもする。
でもなんか全体的に雰囲気が好き。部屋に飾っておくだけでいい感じ。
そんな感じの本です。

 

 

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